浜松市中央区の坂道で、軽トラックが自転車に乗った小学生の列に突っ込み、1人が死亡し、3人が重軽傷を負った事故から3月24日で1年となった。亡くなった女児の祖母はいまも癒えぬ悲しみを抱えながら、凄惨な交通事故が無くなることを願っている。

浜松市中央区舘山寺町では2025年3月24日、軽トラックが自転車に乗った小学生の列に突っ込み石川琴陽さん(当時8)が死亡したほか、琴陽さんの姉(当時10)が生死をさまようほどの大ケガをするなど3人が負傷した。

琴陽さんの祖母は「1年経ち、すごく短いようで長かった。去年のことが鮮明によみがえり、今(琴陽さんが)いないということをすごく強く感じる」と話す。

一方、一時は重体となっていた琴陽さんの姉については今でこそ元気に学校へ通えるまでに回復したものの、祖母は「後遺症が出なければいい。何かなければよいというのがいつも残っている」と孫の将来を気にかける。

この事故をめぐっては1月、持病の影響で走行中に発作を起こして意識障害に陥るおそれがあるにもかかわらず軽トラックを運転していたなどとして、検察が危険運転致死傷の罪で浜松市中央区協和町に住む男(79)を在宅起訴した。

男は当初、事故を起こしたことは認めつつ、「なぜぶつかったかはわからない」「覚えていない」などと話し、「過去にも気が付いたら事故を起こしていたことがあった」と供述していたことがわかっていて、報道陣の取材に対しても同様のことを述べている。

このため、祖母は「過去のことを聞いてると、自分でわからなくなったことがあったのに、どうしてそこで(運転を)やめてくれなかったのか。家族も何でやめさせてくれなかったのか。(危険性を)わかってやっている」と語気を強めた。

道路交通法では現在、70歳以上のドライバーに対し免許証を更新する前に高齢者講習を受講することを義務付けていて、講習ではDVDなどを使って交通ルールや安全運転に関する知識を再確認するほか、動体視力や夜間視力などを測定する。

さらに、方向転換やクランク、S字カーブの走行など実車指導も行われるが、あくまでも講習であり、合否が判定されるわけではないため、祖母は認知機能や持病も含め「ちょっとでもおかしいと思ったら免許を更新しないでほしい」と高齢ドライバー自身が自らの技量や健康と向き合うよう呼びかけた。

今回の事故のあと、現場では反射式の誘導表示板が設置されるなど警察や行政による再発防止の取り組みが進められている。

一方で幼い子供が犠牲になる交通事故は各地で起きているのが現状だ。

それだけに祖母は、孫を失った遺族として凄惨な凄惨な交通事故が1件でも減ることを願っている。

「交通事故は元気だった子が突然いなくなってしまう。話をするとつらいがそういうことを知ってもらいたい。ひとりの人間がこの世からいなくなってしまう。今まで一緒にいたのにいなくなってしまう。死亡事故というのはそういうこと」

テレビ静岡
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