2025年8月の豪雨で線路の土台が崩壊したJR肥薩線の霧島市内の復旧現場が、報道陣に公開された。空中に浮かぶ線路の衝撃的な光景から半年余り。現場では盛り土の造成が着々と進んでおり、JR九州は「6月末から運転を再開したい」と意欲を示している。
長さ50メートル、高さ10メートルにわたって崩壊
2025年8月、霧島市や姶良市を中心に鹿児島県を襲った豪雨。JR肥薩線では、霧島市隼人町嘉例川の表木山駅から日当山駅間で、線路の土台となる盛り土が長さ50メートル、高さ10メートルにわたって崩壊するという大規模な被害を受けた。地面が大きくえぐられ、線路が宙に浮いた当時の映像は、豪雨の凄まじさを物語っている。
この区間は現在も運休が続いており、地域住民の通勤・通学に影響が出ている状況だ。

原因は「時間雨量120ミリ超」の大雨
3月17日に行われた報道陣向けの現場公開では、JR九州が復旧工事の進捗状況を報告した。
盛り土が崩壊した原因についてJR九州は、時間雨量で120ミリを超える大雨によって現場近くの川の水があふれ、線路の土台を流し去ったためと説明した。
こうした事態の再発を防ぐため、復旧工事では土台が消失した場所への新たな盛り土の設置に加え、その盛り土に沿った水路の整備も並行して進められている。次の豪雨に備えた構造的な対策も講じられている点が、今回の復旧工事の大きな特徴といえる。

「元の通学しやすい形で提供できるよう」 6月末の再開へ
復旧現場では現在、盛り土の造成が目に見えて進んでおり、JR九州は当初の計画通り、隼人〜吉松間について2025年6月末の運行再開を目指している。

JR九州の海老原毅鹿児島支社長は、「代行バスで今、通勤通学など不便をおかけしている状況が続いているが、6月末から運転を再開して元の通学しやすい形で交通機関として提供できるよう引き続き工事を進めていきたい」と語った。
現在は代行バスで対応しているものの、鉄道と比べると利便性の面で地域住民の負担は小さくない。霧島市や沿線に暮らす人々にとって、肥薩線の一日も早い復旧は切実な願いだ。6月末という目標に向け、工事は着実に前進している。
(動画で見る▶線路が「空中に浮いた」光景から復旧へ JR肥薩線・霧島の被災箇所を公開、6月末運行再開目標)
