熊本地震による九州新幹線の運転見合わせが続く中、例年なら帰省客でにぎわうはずのJR鹿児島中央駅が、静かなお盆を迎えている。土産物売り場では売り上げと客数が前年の半分ほどに落ち込む店も出ており、現場では試行錯誤が続いている。
まばらな人影、例年との落差
毎年お盆の時期は帰省客や観光客が行き交い、新幹線改札前に列ができるほどにぎわうJR鹿児島中央駅。しかし8月13日朝の改札前は、人影もまばらな状況だった。
熊本地震の影響で、九州新幹線の新水俣―熊本間の運転見合わせが続いている。大阪から訪れた夫婦も、その変化を肌で感じていた。
夫は「例年の盆休みは列ができているよね」と話し、妻も「そうだね」と同意した。

売り上げは「2025年の半分ほど」
この状況で大きな打撃を受けているのが、駅構内の土産物売り場だ。さつまあげやお菓子など鹿児島の土産品がずらりと並ぶ売り場は、お盆の時期こそ特に売り上げが伸びる季節のはずだった。
しかし地震発生以降、売り上げと客数が2025年の半分ほどに落ち込んでいる店もあるという。対応に苦慮した店舗では、賞味期限の早い商品の販売を抑えたり、スタッフの人数を減らしたりといった措置を取っている。
それでも、「熊本のことを考えると今は耐えるしかない」と、被災地への思いを口にする声もある。厳しい現実と向き合いながらも、地域のつながりを大切にしようとする姿勢がにじむ。
「来て応援、買って応援」
県外からも、足を運ぶ人はいる。埼玉から訪れたという夫婦は、飛行機やバスなどを乗り継いで熊本と鹿児島の親戚に会いに来た。
「地鶏の炭火焼きがおいしかったので買いました。来るのをかなり躊躇したけど、来て応援、買って応援している方もいるとのことで、行くべきと思って来ました」

不便な交通事情の中でも足を運ぶ旅行者の存在は、現場にとって小さくない励みになっている。
JR鹿児島シティが割引クーポンや送料無料サービスを展開
県外からの来訪が難しい状況を踏まえ、JR鹿児島シティは地元住民の利用機会を増やそうと、鹿児島中央駅構内の「みやげ横丁」と「ぐるめ横丁」で使える500円の割引クーポンをアプリで配信している。
さらにお盆期間の15日まで、7000円以上の購入で送料が無料になるサービスも実施中だ。域外からの客足が遠のく中、地元の需要を掘り起こして売り場を支えようという狙いがある。

例年とは大きく異なるお盆。土産物売り場は被災地への思いを胸に、できる限りの手を尽くしながら、この夏を乗り越えようとしている。
【動画で見る▶JR鹿児島中央駅の土産売り場 熊本地震の影響続く アプリでクーポン配信も】

