3月19日(木)に春のセンバツ甲子園が開幕します。
この大会で注目なのが高校野球で初めて導入される「DH制」です。
「DH」という言葉は、岩手県奥州市出身でドジャース・大谷翔平選手のニュースでよく耳にしますが、「DH」とは「Designated Hitter」の略です。
「Designate」が「指名する」という意味で、「DH」は「指名打者」とも呼ばれます。
ピッチャーの代わりに打席に立って、守備にはつかずバッティングだけを行う選手のことです。
どうして高校野球にも取り入れられることになったかというと、主な狙いは2つです。
1つ目が「ピッチャーの負担を軽くすること」です。打席に立たないため体を休めることができます。
そして2つ目が「選手の出場機会を拡大すること」で、試合に出られるバッターが増えることになります。
新しいルールで、高校野球はどのように変わるのか現場の声を聞きました。
岩手県内屈指の強豪・盛岡大附は、伝統の攻撃力を武器に甲子園には春夏通じて16回出場しています。
名将・関口清治監督は「DH制」について、戦術面だけでなく教育的な観点からも肯定的に捉えています。
盛岡大附 関口清治監督
「打撃が得意でも守備が不安定な選手は、スタメンで出すことはできないが、DH制によってそういった選手もスターティングメンバーの可能性が出てきた」
盛岡大附の坂下僚祐選手(新3年)は、練習試合で3番や4番を任されたこともある強打者ですが、チームの中心選手とポジションが被り、控えに回ってきました。
盛岡大附 坂下僚祐選手
「代打の枠というか、一打逆転とかチャンスの場面で任せてもらうことが多かった。打てる人がもう1人いればチームも楽に勝っていけると思うので、そういう役割(DH)もできるようにやっていきたい」
強力なバッターがそろう盛大附属打線に、坂下選手のようなスラッガーがDHとして加われば打線はさらに爆発力を増しそうです。
一方、ピッチャーは味方の攻撃の時間を全て体力の温存に充てて投球に専念することができるようになります。
DH制に期待と不安 選手層で戦力差が広がる心配も
「より攻撃的なオーダーが組める」と期待が高まる一方、部員数の少ない学校からは「選手層の厚いチームとの戦力の差が広がってしまうのでは」という心配の声も聞かれます。
高校野球への「DH制」導入の疑問点
それでは、よくある疑問をみていきましょう。
Q:ピッチャー以外の守備の選手に「DH」を使える?
A:できない
あくまで「DHは『ピッチャー』の代わりに打つ選手」となるので、守備に専念できるのはピッチャーだけです。
Q:「DH」は必ず使う?
A:使わなくてもOK
「DH」を使うかどうかは試合ごとに選べます。
例えば、バッティングのいいピッチャーがいるチームや、選手が9人しかいないというチームは、これまで通りピッチャーに打たせることができます。
ただ、試合の途中から「DH」を使うことはできません。
Q:ピッチャーが「DH」として出場できる?
A:できる
大谷選手もそうですが、世界的に「大谷ルール」と呼ばれています。
先発ピッチャーが「DH」としてスターティングメンバーに入ることで、マウンドから降りた後も打席に立ち続けることが可能になります。
ただし、この場合ピッチャーに戻ることはできません。
高校野球では、2024年の春から低反発バットが導入されて点数が入りにくくなったと指摘されていましたが、「DH制」の導入で流れは変わりそうです。
「DH制」は3月19日(木)に開幕するセンバツ甲子園で採用され、県内の公式戦では4月25日から始まる「各地区予選」から運用されます。