環境に配慮しないメガソーラー建設をどう止めるのか。
人口2000人あまりの村が選んだのは、土地の買い取り。
苦渋の決断です。
東日本大震災と福島第一原発の事故から11日で15年。
未曽有の事故をきっかけに、政府はエネルギー政策を転換しました。
しかし、新エネルギーの主役だったいわゆる“メガソーラー”が転換期を迎えています。
釧路湿原の周辺で大阪市の事業者「日本エコロジー」が建設を進めるメガソーラー。
環境への配慮不足が指摘されるなか、工事は強行されました。
「再三、道として(調査を)求めて来た中で今週スタートしたタイミングでぜひしっかり自分でその内容を含めて確認したい」(鈴木直道知事)
さらに北海道の調査の結果、基準値を超えるヒ素などの有害物質も検出されたのです。
北海道釧路市の隣、鶴居村もメガソーラー問題に翻弄されました。
「日本エコロジー」がメガソーラー建設を一時計画していたのは、国の特別天然記念物・タンチョウの撮影スポット「音羽橋」に近い場所でした。
11日も神奈川県から長年タンチョウを撮りに来るという男性がいました。
「音羽橋から撮影するとどうしても入ってしまう」
「自然は一度壊すと戻るのに100年単位でかかりますから」(ともに神奈川県から訪れた男性)
この景色を守りたい…
鶴居村は10.6ヘクタールの土地を日本エコロジーから購入することにし、11日の村議会に提案しました。
注目を集めたのはその額です。
土地の値段は約400万円。
しかし、買い取りで日本エコロジーに支払う額は約8000万円。
森林などの伐採にかかった費用などの補償が含まれています。
土地代の約20倍という額。
これをめぐっては、高すぎるのではないかと議会でも指摘がありました。
「8000万円は高すぎるのではないか」(村議)
「補償額については実支出額を基本とし、逸失利益についても合理的範囲に限定したものであることから妥当な水準だと判断」(鶴居村の担当者)
実は村によると当初日本エコロジーはメガソーラーで得られるはずだった利益の損失なども含め1億5000万円を提示してきたといいます。
協議を重ね、結果的に今回の額に落ち着いたというのです。
村議会の審議の結果は「可決」。
しかし、村長は苦しい決断だったと強調しました。
「国でも法の整備に向けて準備をしているということだが、我々としてはそこを待てるということではなかった」
「苦渋の決断、この言葉しかない」(ともに鶴居村 大石正行村長)
財源は村が全国から募った寄付金を活用するとし、村は3月中にも日本エコロジーと協議し土地を買い取る方針です。
環境保全に詳しい専門家は、開発の規制強化が必要だといいます。
「(震災後のエネルギー政策は)規制が取っ払われてしまいお金儲けの企業を呼び込むような政策になってしまっている」
「国土の開発に歯止めをかける(有効な)法律がない」
「再エネを促進するために規制を緩和したがこれを全て元に戻せばまともな事業者だけが残る」(いずれも山梨大学 鈴木猛康名誉教授)