のり弁1個が、何と1500円!
一方で、ボリューム満点で300円以下の弁当も。

弁当業界で価格戦略の二極化が進んでいます。

帝国データバンクによりますと2025年、弁当店の倒産は55件と、前年の数を上回り2年連続で過去最多に。
原材料費や人件費の高騰で中小弁当店の倒産が相次いでいるといいます。

そうした中、スーパーマーケットは驚きの格安弁当を提供しているのです。

2025年に都内に初出店した「トライアル西友」が手掛けるロースカツ重は、税抜き277円。
安くておいしいと評判です。

さらに、西日本を中心に展開し“日本一安いスーパー”を豪語する「ラ・ムー」では、からあげ弁当が税抜き198円、ナポリタンは何と99円。
驚きの価格を掲げて3月、首都圏に初進出します。

他にも東海地方発の「バロー」や「オーケーストア」など、スーパーでは弁当の価格競争が激化しています。

その一方で、高級志向で勝負する弁当店も。

取材したのは、東京都内にあるのり弁の専門店「海苔弁 いちのや」です。

のり弁といえば手頃な価格のイメージですが、お店で販売している弁当は、お値段1個1480円の高級のり弁と2300円の季節限定のり弁、2種類のみです。

初めて購入したという方は「海苔弁当とエビフライの桜坂ひとつずつ」「逆に高いから食べてみようと」「おいしいもの食べたいもんね。普段だったらちょっと高いけど、今日は特別」「東京名物海苔弁を買った。他の海苔弁とどう違うのかみてみたい」などと話していました。

6年前に1号店をオープン以降、高級のり弁ブームの火付け役となり、店には行列ができる日も。
大阪や名古屋にも進出しています。

株式会社いちのや・長谷川和彦社長:
全国各地の料理人がいろいろ回って、「これがおいしい」という食材を見つけて仕入れている。

その人気の理由は、全国各地から取り寄せた素材と味にこだわった食材にありました。

「冷めてもおいしい」と評判のご飯は、新潟のブランド米・新之助ともち麦をブレンド。
のりは瀬戸内海産の高級のりを使用し、関東本樽仕込みの秘伝のだししょうゆを染み込ませます。

そしてメインには、のり弁に欠かせない特大の白身魚フライにちくわの磯辺揚げ、全ての食材にこだわった究極ののり弁です。

売り上げの主力は配達で、定番ののり弁は幅広い世代に親しまれ、大人数の場で重宝されているといいます。

株式会社いちのや・長谷川和彦社長:
のり弁当というのは、やはり日本文化という部分がある。これからインバウンドの方に対する需要をどうとっていくか。いずれは海外展開も考えている。

価格戦略の二極化が進む弁当業界。
自身のSNSでスーパーの格安弁当を投稿する消費経済アナリストの渡辺広明さんは「弁当業界は他業種の参入により、胃袋の争奪戦が起こっている。大企業でも、安い商品だけ売っていると付加価値を上げられなくて単価も上がらない。安い商品と別に高付加価値商品、企業の中で両方品揃えするところは大手にも出てきているのでは」と話し、今後、客のニーズごとにますます多様化していくと指摘します。