3度の延期を経て、ついに打ちあがった民間ロケット「カイロス3号機」だったが、打ち上げは”失敗”に終わった。
5日、和歌山県串本町には大勢の人が集まり、カメラを抱えて打ち上げの瞬間を待っていた。
■これまでの苦難の経緯
東京のベンチャー企業「スペースワン」が開発した小型ロケット「カイロス」。
民間単独では”国内初”となる人工衛星の軌道投入を目指す。
2024年3月、初号機が打ち上げられましたが、発射直後に爆発してしまった。
2024年12月、2号機も異常が見つかり、「飛行中断措置」がとられた。
そして、3号機が登場し、4日に3度目の挑戦に臨んだ。
見守る人たち:行けー!
応援の声もあがるが…全く動きがない。
見守る人たち:あれ?あれ?
打ち上げは中止となった。
アナウンス:打ち上げが中止ということです。
見守っていた子供:なんでやねん!

■お手製ロケットと共に見守る”串本の三姉妹”
そんな「カイロス」を打ち上げ場所の近くから、ずっと見守ってきた”串本の三姉妹”がいる。
今月1日、3人のもとを訪ねると皆さん元気いっぱい!なんと、お手製のかぶり物の「ロケット」も準備していた。
長女・初子さん(88):夢子です!(ロケットのかぶり物の名前)カイロスさんにお願いして宇宙に飛びたいと思いまして。
4日も「夢子」を持ち込んで”その時”を待ったが…。
三女・康子さん(76):中止!?宇宙へ1人で行っておいで。
長女・初子さん(88):行ってきます…。ありがとう。
そして、5日は次女の芳子さん(80)が「夢子」をかぶって見守る。
次女・芳子さん(80):行ってきます!
長女・初子さん(88):グッドラック!

■ついに打ち上げ!成功を確信
そして打ち上げ時刻、午前11時10分。
みんなの思いを乗せ、カイロス3号機は勢い良く上空を突き進む。
三姉妹も上空を見上げる。
三女・康子さん(76):良かった良かった。うまくいってるみたい。
次女・芳子さん(80):これでは見えませんわ。
「夢子」を着たことで上を向けない芳子さんも含め、成功を確信した三姉妹。

■打ち上げから約10分後に「飛行中断措置」
しかし、打ち上げからおよそ10分後にその知らせが届いた。
アナウンス:ミッション達成困難と判断し、飛行中断措置を行いました。
2号機に続き、またしても上空で”飛行中断措置”がとられたというのだ。
中断措置をとったことについて、スペースワンの豊田正和社長は「安全システムが作動し飛行が中断された。対策本部を立ち上げて原因の調査を進めている」とコメントしている。

■見守っていた人からは”応援の声”
3度目の失敗となったカイロスだったが、打ち上げを見た人からはこんな意見が。
(Q:結果はどうだった?)
見守った人:良かったよ。飛んだだけ良かった。きのう(=4日)は飛ばんかったから、飛んだだけOKよ。
2号機の打ち上げから毎回見学している子供も応援!
子供:4号機頑張れ!
(Q4号機も見に来る?)
子供:行きたい。
そして、串本三姉妹も前向きだ。
長女・初子さん(88):成功だと思ってる。
三女・康子さん(76):今度は、ネジちゃんとしといてよ。ネジの調節をよろしくお願いします。

■叶わなかった願い
打ち上げが成功した日を「串本ロケットの日」として条例を制定しようと考えていた串本町の田嶋町長は…。
串本町・田嶋勝正町長:正直残念ですね。必ず次の機会に『串本ロケットの日』を制定して、機運を一層盛り上げて行きたい。
スペースワンに搭載された人工衛星を開発したメンバーの1人・森島史仁さんも、自分たちの衛星を宇宙まで届けたいと願っていた。
Space Cubics・森島史仁さん:うまくいったと思ったので、この先が楽しみだったんですけど残念でした。

■「”失敗”は文化にない」成功する日まで…
一方、スペースワンの豊田社長は今回の打ち上げを前向きに捉えている。
スペースワン・豊田正和社長:データや経験を蓄積して前に進んでいるんだと。全力を尽くしていることに間違いはないので、”失敗”ということは私たちの文化に存在しない。
多くの人の夢が宇宙に届く日は来るのだろうか。
(関西テレビ「newsランナー」2026年3月5日放送)

