天皇皇后両陛下は、愛媛県を2日間訪問されました。大洲市では「長高水族館」を視察したほか、豪雨災害の被災者とも懇談されました。2日目は全国植樹祭に出席したほか、砥部町の「とべ動物園」ではホッキョクグマの「ピース」をご覧になりました。
「水族館部」の高校生が部活で運営する水族館
天皇皇后両陛下は、5月16日から2日間、全国植樹祭に出席するため愛媛県を訪問されました。お二人揃っての愛媛訪問は27年ぶりです。
最初に訪ねられたのは、大洲市にある「長高水族館」。
日本で唯一「水族館部」がある県立長浜高校の生徒が部活動で運営しています。
両陛下は「水族館部」が取り組む、カクレクマノミの研究について説明を受けられました。
水族館部 中村幸乃さん:
天皇陛下から「実は昔カクレクマノミを飼っていたんだよ」という話をいただきまして。それに私が驚いたリアクションを取ったところ、にこやかな表情で「そうなんだよ」みたいな感じで返していただきました。
続いて、平成30年の西日本豪雨の被災者と面会されました。
大洲市では、洪水で住宅など約4000棟が被害を受け、5人が犠牲になっています。
被災した酒蔵を再建した男性に、お二人は「大変でいらっしゃいましたね」、「これからも美味しいお酒を造って下さい」と声をかけられました。
松山市のホテルでは、緑化をテーマにしたポスターコンクールに入賞した小学生らと交流されました。
両陛下は色鮮やかな作品を見ながら、「光の表現がきれいですね」、「絵を描くことは好きですか」とにこやかに言葉を交わされました。
この日の夜、宿泊先近くの公園では約900人が提灯を掲げて、両陛下の訪問を歓迎。
両陛下も提灯を振って応え、多くの人たちの歓迎に感謝されました。
動物園では皇后さまが涙ぐまれる場面も
訪問2日目、両陛下は松山市で開催された「全国植樹祭」に出席されました。
全国植樹祭は、国土緑化運動の中心的行事で、愛媛で開催されるのは60年ぶりです。
陛下は、おことばで「私たちは、森林を始めとした自然の大きな循環の中で、自然と関わりを持ちながら生かされています。こうした恵みをもたらす森林の大切さを思うとき、私たち一人一人が緑を守り育て、豊かな森林を、それを育んできた技術や文化とともに次の世代、更にその先の未来へと引き継いでいくことが、私たちの果たすべき大切な役割であると考えます」と述べられました。
「お手植え」に臨まれた両陛下。
陛下は「クスノキ」や花粉のない「スギ」などの苗木を丁寧に植えられ、皇后さまは「ヒノキ」や「タチバナ」など3種類の苗木、一本一本に土をかけられました。
続いて行われた「お手まき」。陛下は愛媛県の木・クロマツなどの種を、皇后さまは松山市の花・ヤブツバキなどの種をまかれました。
式典では、愛媛県の高校生が森林への思いを表現した書道パフォーマンスを披露。
両陛下は笑顔で拍手を送られました。
植樹祭に先立ち、両陛下は砥部町にある「とべ動物園」を視察されました。
国内で初めて人工哺育に成功した、ホッキョクグマの「ピース」。
母親に育児放棄されたピースを毎日自宅に連れ帰り、家族とともに世話をした飼育員の思い出を聞き、皇后さまは「よい話を聞けてよかったです」と涙ぐまれたということです。
とべ動物園飼育員 高市敦広さん:
雅子さまから「ピースに会うのが夢でした」と言っていただいたので非常に光栄でした。ピースを元気な状態でいつまでもお世話できるようにまた頑張らないと、と思いました。
また、自閉症の動物画家・石村嘉成さんが描いた「ピース」の絵をご覧になった両陛下。
「鼻がハートの形になっていますね」などと作品を鑑賞しながら交流されました。
動物園では、繁殖プロジェクトのためインドネシアからやってきた絶滅危惧種のボルネオオランウータン「ジェニファー」もご覧になりました。
皇后さまは「おしゃれな髪型ですね」と何度も手を振りながら笑顔を見せられていました。
動物たちと記念撮影もされた両陛下。皇后さまは、「子どものころ、飼育員になりたいと思っていました」と明かされたということです。
最後に訪ねられたのは「窯業技術センター」。
愛媛県を代表する伝統工芸品「砥部焼」の歴史や製法について、伝統工芸士の白潟八洲彦さんから話を聞かれました。
2日間の日程を終えた両陛下は、多くの県民の温かい歓迎に心から感謝の気持ちを持たれているということです。
(「皇室ご一家」5月24日放送)
