『過去最悪』の特殊詐欺!だまされないための4つのポイント
後を絶たない特殊詐欺の被害は、『過去最悪の水準』となった愛媛県内で急増しているのが「警察官」などになりすます、典型的なオレオレ詐欺だ。
実際に犯行で使われた手口を再現、だまされないための『4つ』のポイントをお伝えする。
「もしもし“警視庁捜査2課”のハンマと申します」
【実際の詐欺電話の音声】
「もしもし、今回担当の“警視庁捜査2課”のハンマと申します」
「よろしくお願いします。すみません、電話の対応で」
愛媛県内で実際にかかってきた詐欺の電話音声。今や身近な犯罪となってしまった『特殊詐欺』は、たった一本の電話から始まりあなたの“全”財産を奪う。
近年、県内では1件当たりの被害額が数千万円規模の「特殊詐欺」事件が相次ぎ、しかもその手口はほぼ同じだ。

”警察官を名乗る電話”は典型的な詐欺のパターン
「あなたには逮捕状が出ています」
『警察官』を名乗る人物から突然「あなたは容疑者」と告げられ、金をだまし取られる手口。典型的なオレオレ詐欺のパターンだ。
愛媛県警特殊詐欺対策室・近藤章警部:
「被害者の年齢層は若い方も含めて、“全ての世代”に広がっていますので」
県警によりますと去年1年間に県内で確認された特殊詐欺は168件、被害額はなんと6億190万円に上る。件数、被害額ともに過去最悪を更新。なかでも被害額は前の年の約2.3倍で、その背景には全体の7割近くを占める、『警察官を名乗るオレオレ詐欺』の急増がある。

オレオレ詐欺は“コスパとタイパを狙った犯罪形態”
人間環境大学・総合犯罪心理学科・野内類教授:
「オレオレ詐欺の場合は、電話を使って短い期間に多くの方にコンタクトを取ることができる。“非常にコスパとタイパの良い犯罪形態”になっています」
脳のメカニズムを解析し、特殊詐欺などの犯罪被害を防ぐ研究をする人間環境大学の野内教授は語り、『オレオレ詐欺』は「どの世代にもだまされる危険性がある」と指摘する。
野内類教授:
「(高齢者は)聴力が下がっていますと、電話口の人物がしゃべっている内容が、聞き取りにくいんですね。そのときに“警察”という強いワード、信頼できるワードがあると、つい信じてしまう。(若者は)これまで社会経験の少なさによって、ひょっとしたら警察の人も、そういうことを言うかもしれないという思い込みが先走って、現金を差し出してしまうのが若者の特徴の一つです」

電話音声公開も被害者は後を絶たない
【実際の詐欺電話の音声】
「もしもし今回担当の“警視庁捜査2課”のハンマと申します」
「よろしくお願いします。すみません、電話の対応で」
「○○さんの名義のキャッシュカードが出てきた以上は、やはり詐欺を行っている被害者ではなく、現状、容疑者となっているわけです」
警察も電話音声の公開や積極的な事件の広報など、被害防止に向け、注意を呼びかけるが、被害者は後を絶たない。
近藤章警部:
「色んな被害者の話を警察で聞くわけなんですけど、同じようなストーリーの事案が多いわけなんで、台本があるんだと思います」

ポイント①「警察は+で始まる国際電話は使いません」
今回、愛媛県警の監修のもと実際にあった手口をもとに、松山大学演劇部の協力で特殊詐欺の電話を再現した。詐欺を見抜くポイントは『4つ』。
まずポイント1!
近藤章警部:
「警察は『+』で始まる国際電話番号を使いません」
詐欺グループは国際電話を使うケースが多く、スマホ画面で数字の前に「+」が表示される国際電話でかかってきた人物が、警察官を名乗れば、まず詐欺だ。

ポイント②「LINEなどのSNSは使いません」
大学生の演劇:
「あなた名義の口座が被害金の受け取りに使われており、あなたに犯罪の疑いがあるのは間違いありません。取り調べをしたいので、これから東京までくることはできますか?」
「急に言われても、今からそんな遠いところまで行くことはできません」
「どうしても来ることができないというのであれば、ビデオ通話で取り調べをすることもできます。LINEは登録していますか」
「はいLINEなら登録しています」
大学生の演劇:
「ビデオ通話がかかってきたぞ」
「丸山さんですか?先ほど電話しました警視庁捜査2課の石丸です。これからビデオ通話で取り調べを行います」
ここでポイント2!
近藤章警部:
「警察は県民の皆さまとのやりとりに、LINEなどのSNSは使いません」

ポイント③「電話やSNSで逮捕状を示すことはありません」
犯人とのやりとりは、ほとんどのケースで途中で電話からLINEに移行し、ビデオ通話を使って警察の制服や警察手帳を示して、本物だと信じ込ませようとしてくるという。
大学生の演劇:
「あなたには逮捕状が出ています。このままでは逮捕されますが、こちらの捜査に協力してくれますか?ただしこれから話す内容は捜査に関する話ですので、家族にも話してはいけません。もし他の人に話せば、秘密漏洩罪で逮捕します」
「え?なんかの間違いじゃないですか」
ここで、ポイント3!
近藤章警部:
「警察は電話やSNSで逮捕すると告げることはありません」
本物の警察官が電話やSNSで逮捕状を示すことはない。また「他の人に話せば逮捕される」罪も存在しないため、逮捕という言葉をちらつかせ不安をあおる時点でそれは、詐欺だ。

警察が銀行口座の残高を聞くことはない
大学生の演劇:
「今捜査している詐欺グループの犯人から、あなた名義のキャッシュカードを押収したのですが、あなたが持っている銀行口座と残高はいくらですか?」
「えっと私の持っている口座はホワイト銀行で、残高は350万円です」
「あなたの身の潔白を証明するために、あなたの口座から警視庁の捜査用の口座にお金を送金してもらうことで、犯罪の関与を判断します。もちろんあなたの容疑が晴れれば、全てあなたの口座に戻します。今から近くのATMに行けますか」
「わかりました。今から振り込みに行きます」

警察は捜査目的で送金を求めることはない
そして、4つ目のポイント。
近藤章警部:
「警察は捜査などの名目で、送金をもとめてくるようなことはありません」
警察は、電話口でどれくらい資産を持っているか聞いたり、捜査の一環としてお金を求めてきたりしない。
紹介した4つのポイント、これらにひとつでも当てはまればそれは詐欺。巧妙にグループ化された特殊詐欺は、犯人が逮捕されても被害に遭った金が返ってこないケースがほとんど。相手をあせらせて不安をあおる詐欺の常套手段に陥らないよう、家族など身近な人に、この4つのポイントを伝え、いつでも相談できる環境をつくっておくことが、被害を未然に防ぐ近道だ。

