6月4日は、語呂合わせで『虫歯予防デー』。歯と口の健康週間も始まったが、その健康をサポートしてくれる歯科医院が、いま危機を迎えている。

医療サイトも『欠品!欠品!欠品!』

福岡市にある歯科医院『くりさき歯科』。歯の治療や検診のため毎日、多くの患者が訪れている。

この記事の画像(12枚)

しかし、口の中を治療するのに欠かせない手袋=グローブが、いま不足しているという。

『くりさき歯科』の操崎永士院長は「やはりグローブっていうのは、必要最低限、重要になってくるので、はっきり言って、無いと診療できなくなる」と困惑顔だ。

原油から精製されるナフサを原料として作られるニトリル手袋。この歯科医院では、その入荷が中東情勢の影響を受け、3月中から急激に減少。現在は、殆ど入荷がない状態。

加えて、植物が原料のラテックス製手袋の入荷も途切れがちで、現在は、通販サイトなどで少しずつ買い集めながら、凌いでいる状況が続いている。

政府は5月、医療用手袋の備蓄の放出を始めているが、購入には一定の条件を満たす必要があり、くりさき歯科には当てはまらないため申請をしてみたものの購入はできなかったという。

以前のように発注すれば届くという状況からは、ほど遠い状態が続くなか、くりさき歯科では、器具の洗浄など直接、患者に触れない作業では、市販のビニール製の手袋を使用している。

操崎院長は「業者さんからも手に入らない。あとは通販サイトみたいな医療サイトがあるんですけど、そこを見てもやっぱり、欠品、欠品、欠品っていうのが続くようになって、余計に不安を煽られる」と表情を曇らせる。

歯磨き粉の一部も出荷停止に

また、代えが利かないものも不足している。

治療に使った器具を滅菌する際に使う滅菌バッグ。器具の保存にも欠かせない消耗品だが、これもナフサ由来のもので、現在は入荷が途絶えている。

また治療の際に患者につけてもらう紙エプロンや、器具を置くペーパートレーなど、さまざまなものが不足しているという。

更に歯科での治療だけでなく、家でのケアにも関係しそうなものも無くなりかけている。歯科で販売している歯磨き粉の一部が、中東情勢の悪化を理由とした原材料の調達難を理由に出荷停止となっているのだ。

石油製品が多く使われている歯科に関連する商品。この状況がいつまで続くのか院長は不安を募らせている。

「結構、石油製品、歯を詰める樹脂だとか、そういうのも細かく言えばあるわけなので、そういうのがやっぱり枯渇してくると結局、患者さんにも迷惑がかかることになりますし、治すに治せない状況になるっていうのが一番、怖いかなと考えてますね」(『くりさき歯科』操崎永士院長)。

アメリカとイランの和平交渉が停滞するなか、中東情勢の影響は、日常生活にさまざまなかたちで広がり続けている。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
テレビ西日本

山口・福岡の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。