中東情勢の緊迫化が、九州・県内の企業経営にじわじわと影を落としている。九州経済研究所が実施した緊急アンケートでは、回答企業の実に9割が「すでに影響が出ている」または「今後影響を受ける可能性がある」と回答。調査を担った福留一郎経済調査部長は「ほとんどの企業が影響を受けているというのは正直驚きました」と率直に語った。

368社に問いかけた緊急調査

九州経済研究所は、中東情勢の緊迫化が県内企業にどのような影響をもたらしているかを把握するため、5月14日から20日にかけてインターネットによるアンケート調査を実施した。対象は県内の主要企業368社で、そのうち200社から回答を得た。

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経営への影響については、「すでに影響が出ている」と答えた企業が60.5%と最多を占め、「今後影響を受ける可能性がある」が28.5%と続いた。今後を含めると合計89%、約9割の企業が何らかの形で影響を受けていると回答したことになる。

最大の打撃は「原材料・資材コストの上昇」

マイナスの影響の具体的な内容として最も多く挙げられたのが、原材料・資材等の調達コストの上昇で、回答企業の90.6%に上った。燃料・電気・ガスといったエネルギーコストの高騰、物流の混乱に伴う調達遅延によるコスト上昇がそれに続いている。

現場の声としては「資材を以前の価格で購入できなくなった」「ナフサ関連の合成樹脂製の部品や塗料の入手で支障が出ている」といった切実な意見が寄せられた。製造の現場では、モノを作るための原料そのものが手に入りにくくなっており、価格面だけでなく供給面でも深刻な影響が出ている実態が浮かび上がった。

福留部長は「ものを作るために原材料エネルギーも含めて物資が入ってこない、入りにくい、値段が上がっているというところでかなり直接的に大きな影響が出ている」と状況を分析する。

コロナ禍以来の「業種を問わない」打撃

今回の調査結果が際立つのは、影響が特定の業種にとどまらない点だ。福留部長は「まず浮かぶのはコロナ禍の影響。あのときも業種を問わず大きな影響が現れた、それ以来」と述べ、中東情勢の影響がコロナ禍に匹敵する広がりを持つものとして受け止めている。

エネルギーや原材料の高騰は、製造業だけでなく流通・サービス業にも波及しやすい構造にある。アンケートでは政府に対して支援策や「目詰まりの解消」を求める意見も相次いでおり、企業側が自助努力だけでは対応しきれない局面に差し掛かっていることを示している。

地政学的なリスクが遠い海外の出来事にとどまらず、県内の企業活動、ひいては地域経済の日常に直結していることを、今回の調査結果は改めて示している。

【動画で見る▶中東情勢の影響 県内企業の9割が経営懸念、原材料・エネルギー高騰が直撃 九州経済研究所調査】

鹿児島テレビ
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