家具に洋服…愛媛県松山市に新たなリユース拠点
名護谷希慧アナウンサー:
「ものがいっぱい。イスなど家具、そして収納ボックス、それからお洋服も。棚一杯に商品が並んでいます」
ここは、去年11月末に松山市久万ノ台にオープンしたリユースの拠点、「ジモティースポット」。この日も、まだ使えるけれど自分には必要なくなった、「不要品」を持ち込む客の姿があった。
店員:
「電源入るかだけ確認させてもらっても…あ、入りますね」
持ち込まれた不要品は店が無料で引き取り、モノ自体の価値や状態に応じて値段をつけて販売する。
ホットサンド機を持ち込んだ客:
「嫁たちがもってるサンドイッチ、ホットサンド。ちっちゃい子いないからいらないだろと思って、無断で持ってきました」
名護谷アナウンサー:
「無断で?」
客:
「はい、大丈夫。誰かいるんだったら、使ってもらったらいいなと思ってもってきました」
粗大ごみの持ち込みが無料
「誰かのために」と持ち込まれたモノでオープン初日は空だった棚も、2か月が経った今は、ご覧の通り。持ち込みも購入も最も多いというのが「食器」。棚2列分いっぱいに隙間なく並ぶ。
コーヒーメーカーや、お掃除ロボットなどの家電に、チャイルドシートやおもちゃ、ランドセルなどの子ども用品。他にも、ボーリングの球や、剣道の面、アコーディオンに…
名護谷アナウンサー:
「なんと石膏の像まで、おもたい。こんなものも持ち込まれてるんですね」
ジモティースポット松山久万ノ台店・金子康陽店長:
「今ですね点数で言いますと、7000点。松山市はほかの自治体と違いまして、粗大ごみの持ち込みが無料ということになっているので最初は危惧していたんですが、リユース意識の高さからでしょうかね、数多くのものを持ち込んでいただけています」

「ゴミを減らすことが目的」値段を下げるなどしてリユース促進
松山市は、一人が一日あたりに出すごみの量が732グラムと、全国の県庁所在地の中で最も少なく、市民のゴミの減量意識は高いとされている。そんな松山に店舗を構えたジモティースポットは「ゴミを減らす」ことが目的の店だ。
名護谷アナウンサー:
「値下げされてるんですかね。8000円だったものが6000に?」
金子康陽店長:
「あくまでもリユースしていただくというのが主目的ですので、値段はつけさせていただくんですけど、1週間とかある程度日数が経った時点で売れていない場合は、値段を下げさせてもらっています」
さらに、不要品の回収後、すぐにインターネット上に情報を掲載することで、リユースを促進。オープンから2か月で実に1万1400点あまりが次の持ち主の手に渡り、約32トンものごみの削減につながったと試算されている。

「あ!と思ったら買いに行く」中には掘り出し物も
ライトを購入した客:
「結構頻繁にきます。ジモティーのアプリを結構見てるので、あ!と思ったら買いに行く。必要なものが安く手に入るし、今の時代なのでリユースで」
キッチン小物を購入した客:
「こういうのを探すのが、すき」
女性:
「掘り出しもの見つけたときのラッキー!ていうのが楽しくて来てます。みなさんそうだと思いますよ」
金子康陽店長:
「分別しないで持ってきてくれたら大丈夫ですから。自分の生活にいらなくなったもの、これが他の方の使ってもらえるものにかわるので、家を片付けるだけで、誰かのためになっていると思っていただくと、片付けもちょっと楽しくなるんじゃないかな」

制服や体操服もリユースで
名護谷アナウンサー:
「ここ松山市内のクリーニング店なんですが、中に入ってみると…壁側にありますね、学生服!が、奥までずらっと並んでいるんです」
その数、3000着!とてもきれいに見えるが、実は、サイズが合わなくなったり、卒業などで必要なくなったりして寄付されたリユース品なのだ。所狭しと並ぶ、学生服に、体操服。

7年ほど前に始めた制服のリユース販売
学生服販売アゴラリユース・相原輝久代表理事:
Q.そもそもどうして制服のリユースを始めたんですか?
以前わたしが小学校のPTA会長をしていたときがあって、そのときに小学校は私服なんですけど、中学校から制服になるので購入が難しいという声がたくさんあったので。(利用者は)だいたい年間1700~1800人くらいですかね」
県内で子育て支援を行うNPO団体が、7年ほど前に始めた制服のリユース販売。口コミで年々利用者が増え、今では、中予2店舗に東予と香川県にも拠点がある。クリーニング店と連携していて、寄付された制服などは清潔な状態で店舗に並んでいる。

年間に集まる制服は約1万2000着
相原さんによると、年間に集まる制服は約1万2000着。そのうち傷みがあったりモデルチェンジしたりして、リユースできない1500着ほどは、東南アジアなど海外の貧困地域に寄付することで、資源をむだにしない仕組みだ。
相原輝久代表理事:
「物価高騰、特にこの2年くらいが大きく上がっていると思うんですけど、利用者数もどんどん伸びている状況で、これが私立高校なんですけど、3万5000円くらいするんですよ。それがうちだったら3500円で売っているので、1割くらいですね定価の」
リユース品はAからCの3つのランクに分類され、定価の1割から2割の値段で販売されている。最も低いCランクでも襟に汚れがある程度で着用には問題ない。

新品との見比べも可能
店員:
「これがBランクって言って、少しいたみがあるくらいなんですけど、新品がこんな感じなんで、多少色感が違うのは違うんですよ」
アゴラリユースでは数量限定で新品の制服も扱っていて、リユース品と見比べて検討する親子もいた。
中学校の制服を購入した母:
「リユースのものも初めて見たんですけど、すごいキレイなのでリユースでもいいかなって思いました。(今後背が伸びて)買い替えなきゃなってなると値段がすごいので」
子ども:
「(制服は)自分が大人になったって感覚があるので、憧れてました。(新品かリユースか)全然ぼくあんまり気にしないので、どっちでもいいって感じです」

制服だけでなくお母さんの服もリユース
高校の制服を選びに来た親子も。この日、おかあさんが着ていた洋服もリユース品だそう。
高校の制服を購入した母:
「うちは制服だけじゃなくて、普段からリユースの服で過ごしているんですよ。(抵抗は)まったくないです。むしろなじんでて着やすいし、こどもたちも肌当たりが柔らかいし、新しいものって汚さないでとかって言っちゃうけど、こどもってね、動きにくくなっちゃうから、得しかないと思います」
相原輝久代表理事:
「制服って絶対必要なものじゃないですか。リユース品を購入することで少し家計が助かるので、それを別のことに充てられると思うんですね。ほかの経験、体験活動とかを参加させるとかいろんなことができるので、勉強だけじゃなくてそれ以外にも目を向けてもらうために、家計支援っていうのが必要なのかなって思いながら」
いらないものを「誰かの必要なもの」へとつないでいく。物価高の今、「リユース」の輪が大きく広がっている。

