福岡市の図書館で2026年2月19日夜、男女3人が刃物で襲われた事件で、逮捕された61歳の男は「誰でもいいから人を殺したかった」という趣旨の供述をしていることが分かった。
閑静な図書館で男女3人が次々に刺される
事件から一夜が明けた2月20日、現場の福岡市総合図書館(福岡市早良区)の周辺では、近くにある小学校の児童が、保護者などから見守られながら登校する姿が見られた。

地域を震撼させた事件が起きたのは、この半日前。2月19日午後8時前、1件の110番通報が寄せられた。

「刃物を所持した男を警備員が取り押さえている。人が刺された」

警察によると図書館の中で利用者の80代男性と50歳女性、そして70代の男性警備員が、包丁を持った男に相次いで襲われた。80代の男性は腹部を刺されて重傷だが、病院に搬送される際、3人とも意識はあったという。

事件現場を目撃した人は「図書館に入ってすぐのガラス張りの中に負傷して座っている人がいた。1人は立って、ティッシュみたいなものを手に巻いていた」と緊迫した状況を口にする。

3人を襲ったと見られる男は現場で確保され、このうち女性の首を切りつけた殺人未遂の疑いで現行犯逮捕された。
明らかになった事件当時の容疑者の足取り
逮捕されたのは福岡市早良区の無職、吉井辰夫容疑者(61)。調べに対し女性への殺人未遂容疑を認め、男性2人を襲ったことも認める供述をしているという。
なぜ吉井容疑者は3人を襲ったのか。事件当時の容疑者の足取りが徐々に明らかになって来た。
吉井容疑者は、事件が起きる約30分前、西側の出入口から図書館に入館。

エントランスホールを通り抜けて館内を徘徊すると、トイレに入った。

そして7~8分、トイレにこもった後、近くの閲覧スペースで80代の男性の腹部を刺すと走って逃げたという。

その後、エントランスホールで女性を襲い、異変に気付いて駆け付けた男性警備員にも切り付けたとみられている。

福岡市によると、吉井容疑者と図書館側にトラブルは確認されていないということだ。
容疑者の素顔「風貌的には変わった感じ」
不特定多数の人が利用する公共施設で起きた今回の事件。逮捕された吉井容疑者とはいったいどんな人物なのか。

事件現場から徒歩で移動できる距離にあるマンションで一人暮らしをしていた吉井容疑者。「風貌的には、ちょっと変わった感じで、髪の毛の長い」と吉井容疑者宅の近くに住む男性は話す。近所づきあいはなかったという。

また「俺がここに入居した時、吉井容疑者が一番、古かった。(今までした会話?)ないなあ。『おはようございます』くらい」

「(趣味?)昔、ボートレース場で見たことはある。最近は全然、見なくなった。ここ2カ月は見ない」と男性は話した。
「誰でもいいから人を殺したかった」
事件から一夜が明けた20日、福岡市総合図書館は臨時休館となった。

公共施設で起きた今回の事件。図書館を利用する人に話を聞くと「図書館の自習室を使ったりは、たまにする。学生も利用するところなので不安」と表情を曇らせる高校生や-

「週1は必ず行きます。図書館が安全な場所だと思っていたので、これ以上に安全な場所と言われたら思いつかない」と話す子育て中の母親など、一様に不安な表情を隠さなかった。

捜査関係者によると吉井容疑者は凶器とされる刃渡り約17センチの包丁を「自宅から持参した」と供述しているという。
また、その後の捜査関係者への取材で、吉井容疑者が「誰でもいいから人を殺したかった」という趣旨の供述をしていることも判明した。
吉井容疑者は「3人とは面識がない」と話していて、警察は事件を起こした動機などを詳しく調べている。
(テレビ西日本)
