鹿児島県いちき串木野市で、介護が必要な92歳の母親を自宅に放置して死亡させたとして、64歳の息子が逮捕された。「息子さんが一生懸命介護していた」と語る近所の住民は、事件の発覚に驚きを隠せない。
山間の集落で起きた悲劇
保護責任者遺棄致死の疑いで6月6日に送検されたのは、住所不定・無職の前畑正行容疑者(64)である。
警察によると、前畑容疑者は2026年4月上旬から5月上旬までの間、いちき串木野市金山の住宅で、同居していた母親のツギヱさん(当時92歳)を、介護が必要な状態にもかかわらず放置し、死亡させた疑いが持たれている。
2人が暮らしていたのは、住宅が点在する山間の集落だ。近くには4世帯が暮らしており、近所の住民との交流はほとんどなかったという。

車いす生活、デイサービスにも通っていた母
親子を知る人によると、死亡したツギヱさんは車いすを使用しており、デイサービスにも通っていた。一方、前畑容疑者は地区の行事にはほとんど参加していなかったという。

近所の住民は「顔を合わせた時に軽く会釈する」「息子さんが一生懸命介護していた」と振り返りつつも、「家族が要請してくれない限りは手を出すことはできない」と、支援の難しさを吐露した。
徳島の交番に出頭「介護に疲れた」
前畑容疑者は6月1日、徳島県の交番に自ら出頭し、「母の介護に疲れた」と話した。出頭時の所持金はほとんどなかったという。
近所の住民は「やっぱりショックですよね」と声を上げた。
警察は現在、前畑容疑者が徳島にいた理由や事件の動機などについて捜査を進めている。
