2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授が生み出したiPS細胞。

19日その研究が、治療の選択肢が限られてきた人たちに新たな可能性を示しました。

クオリプス取締役 大阪大・澤芳樹特任教授:
本日ついに部会通過をいただく形で「実用化」という、ひとつの通過点に立つことができたことを報告する。

厚生労働省の専門部会は、iPS細胞由来の2つの製品について製造・販売を条件期限付きで了承しました。

今後正式に承認されれば、世界で初めて実用化される見込みです。

京都大学・山中伸弥教授:
いま、病気やけがで苦しんでいる患者に本当に使える、そういう段階に早くなったらいい。

2006年に誕生したiPS細胞。

筋肉や神経など体のさまざまな細胞に変化できる「万能細胞」として国内外で再生医療の実現に向けた研究が進められてきました。

その成果が今回、条件・期限付きで了承された心不全とパーキンソン病の治療で使う2つの製品です。

赤い液体の中でぴくぴくと動く「ハリート」は、大阪大学発のベンチャー企業・クオリプスが開発した心筋細胞シートです。

クオリプス・長谷川光一研究員:
ピタッと心臓に貼り付く。その貼った部位に血管がくるので酸素や栄養が行き渡るようになって、やられた組織が回復するようになる。

このシートは心臓の表面に貼ることで新たな血管が作られ、心機能の回復につながるとされています。

大阪・関西万博ではこの技術を応用した「iPS心臓」が展示されるなど期待が高まっていました。

そして、もう一つの製品が住友ファーマの「アムシェプリ」。

パーキンソン病患者の脳内に細胞を移植することで、症状の改善が見込まれます。

iPS細胞の作製から20年、専門部会で了承されたことについてクオリプス取締役・澤芳樹特任教授は「きょうの部会の通過は大きなステップだがそこはゴールではない、あくまで通過点。世界でたくさんの人を救う目的のために色々なことをすでに作戦的には考えて取り組んでいるが、それを迅速にやっていかなければと、強く思う」と話し、住友ファーマ・木村徹社長は「一日も早く、多くの患者さんにこの治療を届けられるよう、引き続き着実に取り組んでまいります」とコメントしました。

一方、iPS細胞の生みの親でもある山中教授も「マウスiPS細胞を発表してから20年という節目に社会実装へ向けた大きな一歩を踏み出せたことを、大変うれしく思う」とコメントを発表しました。

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