長寿の愛猫と飼い主の絆が伝わる投稿が、感動を呼んでいる。表彰状の前に座っているのは、キジトラ猫のモカちゃん。2022年1月で22歳を迎えた“おばあちゃん猫”で、その長寿をたたえられ、日本動物愛護協会から表彰を受けたのだ。

モカちゃんは心なしか満足気な表情(提供:飼い主さん)
モカちゃんは心なしか満足気な表情(提供:飼い主さん)
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飼い主さん(@catmocha200116)さんが「おめでとう。いつもありがとう、これからもよろしくね。」などと感謝を伝えて投稿すると、Twitterでは“ふたり”の愛情を感じる関係が話題に。

 
お休み中のモカちゃん(提供:飼い主さん)
お休み中のモカちゃん(提供:飼い主さん)

投稿には、他ユーザーから“長寿猫”の写真が次々と寄せられ、「お互い長生きしてくれるといいですね!」などのコメントが相次いだ。いいねも28万以上にのぼっている。(7月15日時点)

長寿動物表彰はどんなもの?モカちゃんは人間でいうと104歳!

日本動物愛護協会によると、モカちゃんがたたえられたのは「長寿動物表彰」。家庭での適正な飼育、動物の最期を看取る責任の啓発を目的に、2005年に始まった取り組みだという。

長寿表彰状の例(日本動物愛護協会のウェブサイトより)
長寿表彰状の例(日本動物愛護協会のウェブサイトより)

指定の申請書に必要事項を記入の上、お気に入りの写真や「年齢・生存証明書」などと合わせて、協会の担当係に郵送すると、審査の上で適正と認められれば、表彰状を郵送してくれる。表彰年齢は動物の種類や大きさで違い、猫の場合は18歳以上が対象になるという。

現在の表彰年齢(日本動物愛護協会のウェブサイトより)
現在の表彰年齢(日本動物愛護協会のウェブサイトより)

協会によると、モカちゃんの22歳という年齢は、人間の104歳に相当するとのこと。猫の一生は人間に例えると、最初の2年で24歳になり、3年目から1年ごとに4歳ずつ年を重ねるという。
表彰対象の18歳は人間の88歳相当になる計算だ。

担当者は「長生きしている表彰という意味合いだけではなく、共に暮らしてきたご家族の方への感謝状でもあります。表彰年齢になるまで大切に育ててくれてありがとうという感謝の気持ちです」と話している。

家族の一員として大切に過ごしてきた証。そんな表彰を受けたモカちゃんはどんな猫なのだろう。これまでの日々や長寿の理由を飼い主さんに聞いた。

若い頃とは別のかわいさと愛おしさがあります

――モカちゃんはどんな猫ちゃん?表彰はどうして申請したの?

(性格は)クール。家族の中で一番達観していて冷静かも…(笑)とても頼りになる存在です。でも時々寂しくなるのか、そっとくっついてきてくれることもあります。たまたま表彰が頂けることを知って、記念になればいいなと思い、申請しました。
 

――お家に迎えた経緯や当時の思い出を教えて。

出会いは「ぱど」というタウン誌で「子猫が生まれました」という里親募集を見かけたのがきっかけでした。その募集に応募し、実際に会いに行ってお迎えしました。目が開いたばかりでまだ生まれて間もない、キトゥンブルーの瞳が印象的でした。

子猫時代のモカちゃん(提供:飼い主さん)
子猫時代のモカちゃん(提供:飼い主さん)

――22年間で印象に残っていることは?若い頃とは変わった?

昔から食欲旺盛で、今も変わっていない所が頼もしいです。さつまいもが好きなので、たまにおやつに焼き芋をあげています。老猫になって寝ていることが増えてぼんやりとしている事があったり、かと思えばわがままになってみたり。若い頃とは別のかわいさと愛おしさがあります。

寝ていることは増えたがまだまだ元気(提供:飼い主さん)
寝ていることは増えたがまだまだ元気(提供:飼い主さん)

――飼い主として思う、長寿の理由を教えて。

これまで大きな病気ひとつなく元気でいてくれているので、本人の生まれ持ったものだと思います。きれい好きで、家の中での心地よい場所が誰よりもわかっているので、自然とストレスをためないように過ごしているんだと思います。これからもその環境を維持してあげたいです。

――モカちゃんはどんな環境で暮らしている?飼い主として注意していることはある?

完全室内飼いでお気に入りのベッドで過ごすことが多いです。私が在宅で仕事をしていることもあり、何かあればすぐ対応できるようにしています。食事は、スーパーなどで購入できる市販のドライフード(主に高齢猫用の腎臓や尿路に配慮したもの)、時々ご褒美ちゅ〜るを与えている位です。食事の回数はモカさんの要望に合わせて1日2回〜3回。

ブラッシングは1週間に2~3回程度、グルーミングで届きにくい胸毛周辺、背中~腰などを中心に行なっています。歯磨きが苦手なのできえ~る(微生物の増殖などを抑える、天然成分の液体)を飲み水に少量混ぜて飲ませています。

定期的なブラッシングも行う(提供:飼い主さん)
定期的なブラッシングも行う(提供:飼い主さん)

「残された時間を少しでも穏やかに」

――Twitterで話題となったことをどう思う?

猫が高齢になるにつれ、介護や看取りへの不安や「あとどの位一緒にいられるのだろうか」と考える時間が増えました。いつか必ずやって来る別れ。わかっていても怖かったです。しかし、Twitterで沢山の人のお祝いの言葉や同じ高齢の動物がいる・いたという方などからの心強いメッセージを頂き、とても励みになりました。残された時間を共に少しでも穏やかに過ごせるといいなと思っています。
 

――これからの時間をどう見守っていきたい?

残された時間をできるだけ負担なく過ごせるように、美味しいご飯をたくさん食べて寝て、甘えたいときにはたくさん甘えさせてあげたいです。

今後も幸せな日々が続いていくはずだ(提供:飼い主さん)
今後も幸せな日々が続いていくはずだ(提供:飼い主さん)

協会の担当者は「私たち人間より速いスピードで年を重ねていく犬猫たちと、1日も長く一緒に過ごしたい気持ちはご家族共通の思いです。それぞれの子に生まれもった寿命があります。事故や病気のため、表彰年齢に達することなく、虹の橋を渡る子たちも多くいます。生きている時間の長さもさることながら、ご家族と共に暮らした密な時間が問われることもあります。本来であれば、年齢ではなくその寿命をご家族の元で全うすることが一番大切だと思います」とも話している。

ペットもいつ寿命がくるか、事故や病気になるかは分からない。だからこそ、モカちゃんの飼い主さんのように一日一日を大切にして、目の前の愛猫や愛犬などと向き合っていきたいものだ。