「大人も毎日must(やらなきゃいけないこと)とshould(やるべきこと)であふれています。たくさんのmustとshouldをこなしている時にやりたいことって考えられますか?何も考えられませんよね。子どもも同じです。

特に子どもは親に愛されたい思いがあるため、そんな日常でも親の喜ぶ顔が見たくてますますうまくこなそうと時間と労力を費やします。そうして自分がやりたことなど考えられなくなる。それでは遅かれ早かれ自分を見失ってしまいます。そうならないためには、余裕・余白が必要なのです」

そこで大切なのは時間的な余裕を作ること。「習い事は2つまで」とボークさんのメソッドにあるように、習い事を“子ども視点”で厳選。親の都合で決めるのではなく、子どもが笑顔で取り組めるかが習い事を決める上で大切だという。

『しなさいと言わない子育て 普段の育児のままで子どもが変わる小さなしかけ』(サンマーク出版)
『しなさいと言わない子育て 普段の育児のままで子どもが変わる小さなしかけ』(サンマーク出版)

子どもは自分の好きにチャレンジすることで好奇心や主体性を育める。しかし、プログラムされすぎた日常は与えられたことをこなす毎日になってしまう。親も家事や仕事に加えて、習い事の送り迎えで疲弊してしまうだろう。大人にも心の余白があることが大事なのだ。

そこでやりたいのが「1日30分の空想タイム」。「今日は何をしようかな」と子ども自身が考えて、やりたいことを実践する。指示されなくても主体的にやる、こうした積み重ねが、自分のパッションを見つけることにもなる。

「遊びって大切なんです。大人も遊びがないとつまらなくなりますよね。私もたくさん遊んでいます!何でもいいのです。毎日何かの楽しみを見つけることは大人も子どもも大切です」

空想タイムではアクティブなものにとどまらず、寝ていても、ぼーっとしていることでもいい。ぼーっとしているように見えて、頭の中で自分自身と向き合っているかもしれないからだ。心掛けておきたいのが、子どもが主体的にやっていることを親は見守って、観察すること。決して口を出してはいけない。

「ぜひ、親御さんは観察ノートをつけてください。子どもが主体的にやったこと、言われなくてもやることはどんなことなのか。いずれ、パターンが出てくると思います。その中で、子どもが好きそうなことの機会を増やしてあげましょう」

親は子どもを信じて「見守る」こと

子どもが好きなことや何かにチャレンジしているとき、日常生活でも親は「見守る」姿勢を忘れてはいけない。年齢によって見守り具合は異なるが、あまりにも見守らなすぎるのは「放置」、見守りすぎるのは「監視」になる。

(画像:イメージ)
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ちょうど良い「見守り」とはどんなものなのだろうか。