例えば、幼稚園から帰宅後、「幼稚園で何したの?」と聞いても、答えられなかったり、「わからない」とはぐらかされてしまうことがある。これは質問の趣旨が明確ではなく、カバーしている範囲が広すぎて何を聞かれているのかわからないからだという。

『しなさいと言わない子育て 普段の育児のままで子どもが変わる小さなしかけ』(サンマーク出版)より
『しなさいと言わない子育て 普段の育児のままで子どもが変わる小さなしかけ』(サンマーク出版)より

子どもとの会話では、まず「はい」と「いいえ」で答えられる質問(クローズドクエスチョン)から始め、自由回答できる質問(オープンクエスチョン)へステップアップする。この2ステップの質問方法を押さえておきたい。

先の例から「幼稚園で何したの?」と曖昧な問いではなく、「はい・いいえ」で答えやすい「幼稚園楽しかった?」とクローズドクエスチョンで聞いてみる。次に、「何をして遊ぶのが楽しかった?」や「誰と遊んだの?」などとオープンクエスチョンで深掘りしていく。

質問がカギといえども、まずは難しく考えず、「子どもに興味を持つことが大事」だとボークさんは話す。

「親は意外と子どもへの興味より、“親の言うことを聞く良い子に育てよう”“迷惑をかけないような子になってほしい”など親の考えや世間体が頭の中にあります。それでは“親にとっての良い子”や“世間体の良い子”というフィルター越しに子どもを見ることになり、子どもにフォーカスできていないので、『こうしなさい』『ああしなさい』とやって欲しいことは出てきても、聞きたいことは出てこない。

でもその子を一つの個性として認め、その子をその子らしく育てようと思うと『この子は何が好き?』『何を考えている?』など、その子らしさを知りたくてどんどん興味が湧いてきて自然に質問が浮かんできます」

「余白」が子どものパッションを見つける機会になる

子どもには、いろいろな経験やチャンスも与えたい。それらと巡り会う機会の一つが習い事。

ただ、ボークさんはプログラムしすぎない(詰め込みすぎない)、余白のある環境こそが親も子どももハッピーになれると強調する。

大人でもあれもこれもと1日の中でさまざまなタスクをこなすのは疲れてしまう。子どもなら、なおさらだ。