福岡市で2025年12月、アイドルグループ「HKT48」スタッフなど男女2人が刺された事件で福岡県警は5日、女性に対する殺人未遂の疑いで、福岡県糸島市の無職、山口直也容疑者(30)を再逮捕した。
凄惨な犯行の状況が少しずつ明らかになってきた。
「背中に衝撃」エスカレーターで襲われたか
再逮捕の容疑は2025年12月14日、福岡市中央区の「みずほPayPayドーム」に隣接する商業施設で、岡山県倉敷市から訪れていた女性(27)の背中を包丁で刺し、殺害しようとした疑い。
警察の聞き取りに対し、被害女性は当時の恐怖を克明に証言している。
女性は当日、「みずほPayPayドーム」で行われた男性アイドルのライブに訪れ、現場となった商業施設の1階で友人と待ち合わせをしていた。
暖かい場所に移ろうと上りのエスカレーターに乗り、2階に差し掛かろうとしたその時、背後から何かがぶつかるような衝撃を受けたという。
振り返るとそこには山口容疑者が立っていた。

「死んでも死ななくてもいいと」
とっさに「離れなければいけない」と直感した女性は、動いているエスカレーターを逆方向に駆け下り、1階で転倒。立ち上がって出口へ向かおうとした際、床に滴る血と背中の熱い感触で、初めて自分が刺されたことに気づいた。
山口容疑者は無言だったという。
女性は1カ月の重傷を負い、警察は刺された部位や傷の深さから山口容疑者に殺意があったとみて殺人未遂容疑での逮捕に踏み切った。
調べに対し山口容疑者は「女性の背中を刺したことは間違いない」「死んでも死ななくてもいいと思って刺した」と容疑を認めている。

「メンバーを道連れに…」
山口容疑者はみずほPayPayドームで「HKT48」の男性スタッフを刺したとしてすでに殺人未遂の疑いで逮捕、送検されている。
捜査関係者によると、山口容疑者はこれまでの調べに対し「HKTのメンバーを道連れにして自分も死のうと思った」「複数人を殺そうと思った」「警備が手薄な現場を狙った」などと話しているという。

5本の包丁を押収 ファンの間では「有名な存在」
警察はこれまでに山口容疑者のバッグから2本、車から1本、自宅から2本の計5本の包丁を押収。バッグに入っていた包丁のうち1本には、目視で確認できるほどの血痕が付着していた。

山口容疑者は以前から「HKT48」のライブに頻繁に足を運んでおり、ファンの間でもその存在を知られていたという。熱心なファンという顔の裏でなぜこのような凶行を計画したのか。警察は女性を襲った経緯や動機についてさらに詳しく調べている。

