ペットボトルで作れる捕獲器
そこで新谷さんが提案するのが、ペットボトルで作れる“捕獲器”を用意しておくこと。直接触れなくてもカメムシを捕獲しやすいので「虫が苦手な人にお勧め」だという。

【ペットボトル捕獲器の作り方と使い方】
1.ふたをとった空のペットボトル容器を用意し、上部3分の1ほどで水平にカットする。※サイズは500mL~1Lがお勧め
2.飲み口が下に向くようにして差し込み、テープなどで固定すると、捕獲器の完成。
3.壁や天井に張り付いたカメムシを、捕獲器の口部分で覆うと捕まえられる。カメムシが床にいる場合は進行方向に捕獲器を用意し、後ろからそっと触って追い込む。

「この捕獲器は形が漏斗(ろうと)状なので、入ると出てこられないんです。複数匹を捕獲することもできます。捕獲後にどうするかは自由です。そのままでも死にますが、私は可哀想に思うので、少し離れた自然に逃がしています」

最後に想像したくないが、カメムシの“くさい液体”が手についたらどうすればいいのか。新谷さんによれば、カメムシが分泌した液体が皮膚に付着すると、オレンジ色の痕が2~3日は残る。その場合はオリーブオイルでもみ込んでから石鹸で洗うと、においが落ちやすいとのことだった。
「これからの季節は成虫のカメムシが増えて、街にも降りてくる可能性があります。自宅の近くで増えているかもしれないと思ったなら、対策を考えてもいいかもしれません」
■いつ、どんなところに集まるの?カメムシの習性についてはこちら
今年は特に多い?カメムシが冬の準備”で家の近くにいる可能性も…全国で増えたと感じる「2つの背景」
■カメムシだけじゃない…蚊、ゴキブリ、毛虫など 秋は“害虫”の季節?
刺されたら?駆除は?“害虫”対策

新谷喜紀(しんたに・よしのり)
博士(農学)。東京大学卒業、東京大学大学院修了。昆虫学関連の研究員を経て、現在は南九州大学環境園芸学部の教授を務める。主な研究テーマは「昆虫の環境への適応」で、農業害虫の生態などを研究している。昆虫を再現した折り紙が趣味で、2024年に京都で開催された「国際昆虫学会議(ICE2024)」で展示され、反響を呼んだ。
イラスト=さいとうひさし