自宅の近くでカメムシを見ることが増えた。なんだかカメムシの“くさいにおい”もする…。こうした状況に心当たりはないだろうか。
「昨日見たのが1匹で、今日は数が増えたならピンチかもしれません」と話すのは、昆虫の生態に詳しい、南九州大学の新谷喜紀さんだ。
カメムシは秋になると、冬を越せそうな場所や餌がありそうな場所を求め、それまで暮らしていた野山から飛んで移動することがある。人間の家の周辺は過ごしやすいこともあり、翌年の春まで居ついてしまうこともあるというのだ。
苦手な人にとっては“非常事態”だろう。そこで自宅に寄せ付けないコツ、室内で出くわしたときの対処法を新谷さんに教えてもらった。
フェロモンで仲間を呼ぶことがある
カメムシは体の中に、刺激性の成分が含まれる液体を持っている。そして身を守りたいときや仲間とコミュニケーションするとき、脚の付け根にある「臭腺」から放出するという。

これが“くさいにおい”の正体なのだが、カメムシの一部はこのにおいがフェロモンとなって、仲間を呼ぶことがある。そのため、見つけたら早めの対策がポイントになる。
「刺激性の成分は、少量でも仲間と情報交換をするのに十分ですが、身の危険を感じたときは大量に出します。目的によって使い分けているんですね」(以下、新谷さん)
集まりやすいのはベランダと玄関
そんなカメムシは、家だと「ベランダ」と「玄関」で見かけやすいとのこと。昼間は日当たりがよくて暖かく、夜はライトの明かりが漏れるので飛んできやすいのだ。