陸上・円盤投げの競技で、全国の高校生ランキングのトップになった愛媛の若きアスリートが、細身の体ながら心と技術を磨き、円盤にインターハイ優勝の夢を乗せて飛ばし続けている。競技に臨む心構えは「日々上昇」。たゆまぬ努力で、その目はすでに世界の舞台を捉えている。

「円盤投げは自分に向いている」

円盤投げは、体の回転を使って円盤を投げ、飛距離を争う競技だ。円盤の重さ2kgもある。FC今治高校明徳校で陸上部の3年生・田窪一翔(いっと)選手は、県総体を大会新記録で制し、インターハイでも優勝候補として名前が挙がるほど全国から注目されている。

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田窪選手は「円盤投げに大事な“手足が長い”というのが当てはまっていて、自分に向いているところ。練習を積み重ねていくごとに距離が出てきて、そこが魅力かなと思います」と語る。

身長183cmの田窪選手の最大の武器は、長い手足を生かしたフォームだ。今シーズン最初の試合で50m25を投げ、県の高校記録を大幅に更新し、高校生の全国ランキングでトップに立った。目標に掲げる日本一に大きく近づいたのだ。

陸上部の近藤倫也監督は、田窪選手の良さについて「円盤の動きに自分を合わせられるところ、無理やり投げにいかないところですね。やはり投げよう投げようとすると、どうしても体に力が入ってきてしまいますので、どれだけ自分の投げに集中できるかだと思います」と語る。

“3本以上”の指で回転をかける

円盤は、力まかせに投げても遠くに飛ばない。回転する時のステップワークなど、体の動きの一つ一つが飛距離に影響し、「心」「技」「体」全てが求められる繊細な競技でもある。また、円盤が手から離れる瞬間に強い回転をかけられるのもストロングポイントだ。

田窪一翔選手:
(円盤を)回転させることで風に乗りやすくなって円盤が伸びるので、距離がそこで出てきます。大体の人は指を2本ぐらいかけているんですけど、自分の場合は3本以上かけて円盤を投げることにしています。

世界でも通用する選手へ

近藤監督からアドバイスを受けながら、フォームの技術を磨き続けて見えてきた日本一。そこにはたゆまぬ向上心があった。

田窪一翔選手:
50mというのは出たんですけど、そこで満足すると次の記録につながらないと思うので、満足せずどんどん記録を伸ばしていきたいと思います。

田窪選手はライバルと比べると細身であるものの、しなやかな筋肉と技術がかみ合い、高校生の頂点になった。しかしまだ自分のフォームに満足せず、一つ一つの動きに磨きをかけて、さらなる飛躍を誓う。競技に臨む心がけは「日々上昇」だという。

田窪一翔選手:
自分は周りの選手に比べて力がないので、体一つ一つの部位を使って、技術で距離を出せる事を証明できる選手になりたいです。まずは日本一をとって、世界でも通用する選手になりたいです。

日本一、そして世界へ。大きな夢を乗せて田窪選手の円盤が空高く舞い上がる。

(テレビ愛媛)

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