ゴールデンウィークが終了し、本人に代わり退職の意思を会社に伝える「退職代行モームリ」には、新入社員からの依頼が殺到していた。一方、離職を止めるため、ストレス発散を支援する企業もあった。

連休明けに「新入社員が辞めます」

最大11連休のゴールデンウィークも終了。
サラリーマンの街、東京・新橋では、ため息交じりの声が聞こえてきた。

会社員:
ブルーな気持ちで朝目覚めた。(昨夜)目覚まし時計をセットする時から、うわ~やべぇみたいな…。モチベーションが下がった。

7日から仕事再開だが、連休モードが抜けない人が少なくないようだ。

この記事の画像(11枚)

そして、SNSでは「GW明け、新入社員がみんなそろっていて一安心」といった言葉の一方で、「GW明けをもちまして、会社の新入社員が1人辞めます」という悲痛な声も…。

新入社員が、入社から1カ月ほどがたったゴールデンウィーク明けから離職するケースが急増するというのだ。

転職活動中:
(連休で)仕事からしばらく離れて家でダラダラすると、人のために動くのが面倒くさくなる。

社会人11年目:
過去には(考えたこと)ある。(連休中に)仕事が嫌だなと感じ、実家の福岡で転職しようと考えた。

退職依頼件数が250件以上…

ゴールデンウィーク明けの現実は、こんなところにも…。

本人に代わって退職の意思を会社に伝える「退職代行モームリ」には、新入社員からの依頼が殺到していた。

7日の退職依頼件数は250件以上。
人員を50人に増やして対応している。

新入社員が退職する理由で一番多いのは「仕事にやりがいが持てない」。
次に多いのは「ハラスメントを含めた人間関係」だという。

退職代行モームリ・谷本慎二代表:
GW中に今までの悩みがフラッシュバックして会社に行けない、辞めたいと思われる方が非常に多い。GW中で前年比138%で、かなり増えている。

背景に新卒採用の売り手市場も

ある団体の調査によると、ゴールデンウィーク明けに離職が増える背景は、新卒採用の売り手市場。転職が容易になっているからだという。

最初の会社はキャリアの踏み台と考え、スキルを積んだら転職する前提で入社するケースがあるというのだ。

一方、離職を止めるため、ストレス発散を支援する企業も。

東京・中央区にあるコンサルティング会社では、社員がストレス解消にあてたジムやフィットネス、エステ、カラオケなどの費用を1人1カ月2万円まで負担する新たな福利厚生制度を導入している。

シーズアンドグロース株式会社・河本英之代表:
「やりがい」と「働きやすさ」の両立が大事。優秀な方が長く働き続けることを考えたら、何かの不便があって辞めてしまわないように考えた制度。

ゴールデンウィーク明けに増える新入社員の離職。

早稲田メンタルクリニックの益田裕介院長は、その理由を「GW明けに退職者が多いのは、直前まで疲れ果てて辞める元気がなく、GWで少し回復し、辞めるエネルギー、決断するエネルギーが戻るから。本人が気をつけるべきことは、辞める前にきちんと相談する。人に頼ることを頑張ってみる。受け身になりすぎない。しっかりコミュニケーションをとって世代ギャップを埋める」と分析する。
(「イット!」5月7日放送より)