法律で緊急車両は優先と明記
法律で緊急車両は優先と明記

そもそも、道路交通法第40条では「緊急自動車の優先」が示されていて、

交差点又はその附近において、緊急自動車が接近してきたときは、路面電車は交差点を避けて、車両(緊急自動車を除く。以下この条において同じ。)は交差点を避け、かつ、道路の左側(一方通行となつている道路においてその左側に寄ることが緊急自動車の通行を妨げることとなる場合にあつては、道路の右側。次項において同じ。)に寄つて一時停止しなければならない。

とされています。

つまり、両陛下も上皇ご夫妻も、人命優先はもちろん、法を守るお気持ちからも緊急車両を優先されていると考えていいでしょう。

皇族の車列も交通法規を守る

車列は法を守る。

この考え方は信号機でも同じです。

両陛下の車列は、交差点の信号機が青なのでそのまま通過します。もちろん警察が信号機を操作するから青なのですが。

一方、他の宮家の方々の車両はと言うと、赤信号で止まります。信号操作は行われていないのです。

信号操作は行われない秋篠宮ご夫妻の車列
信号操作は行われない秋篠宮ご夫妻の車列

当たり前のようですが、知らない方もいらっしゃるかと思います。

先導する車も通常はおらず、皇族方が乗る車とその後ろの警備車両、2台で動かれるケースがほとんどです。

こんなハプニングも…

以前、私が遭遇した話ですが、式典を終え、建物から車に乗り敷地内を出られるところを、私はお見送りし一礼したところ、皇族の方からも車内から会釈をいただきました。

皇族を乗せた車はそのまま公道へと入り走り出しました。

取材を終えた私は、駅へと向かうため歩道を歩いていたところ、すぐそばの赤信号で停止している皇族を乗せた車に追いついてしまったのです。

車両も赤、歩道も赤。私は、またも歩道から皇族の方に一礼。皇族の方もご会釈。

「早く青になって、車に走っていってほしい」と、なんとなく居心地の悪い時間を過ごした思い出があります。

話はそれましたが、天皇皇后両陛下はもちろん、皇族方も道路交通法を守り、車で移動されているのです。
【執筆:フジテレビ皇室担当解説委員 橋本寿史】

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橋本寿史
橋本寿史

フジテレビ報道局解説委員。
1983年にフジテレビに入社。最初に担当した番組は「3時のあなた」。
1999年に宮内庁担当となり、上皇ご夫妻(当時の天皇皇后両陛下)のオランダご訪問、
香淳皇后崩御、敬宮愛子さまご誕生などを取材。