10日、東京の新型コロナ感染者数は60人。2日連続で2021年最少数となりました。
一方、アジアで最も高い80%以上のワクチン接種率を誇るシンガポールで、感染者数が過去最多を更新。
ワクチン接種が進んだ国で何が起きているのか?めざまし8では専門家とともに探りました。

“ワクチン接種率80%”感染拡大も“ウィズコロナ”で

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シンガポールのワクチン接種完了率は83%。
アジアで最もワクチン接種が進んでいる国です。

今年に入って感染者数に波はほとんどありませんでしたが、10月になって感染者が上昇傾向に。10月9日には感染者3703人、死者11人。共に過去最多になりました。

シンガポールのワクチン接種率がかなり高くなっているにもかかわらず、新規感染者がなぜ増えてきているのでしょうか。

公衆衛生・感染症対策に詳しい、福島・相馬市新型コロナワクチン接種メディカルセンター長の渋谷健司氏に伺いました。

福島・相馬市新型コロナワクチン接種メディカルセンター長 渋谷健司氏:
シンガポールのアドバイザーに聞いたんですけれども、彼らとしては基本的には検査を徹底することで社会を回すと。
ワクチン(接種)がここまで増えたので、コロナにかかっても重症化したりということが少なくなってきた。基本的には検査の追跡を徹底したことで、今まで見つかっていなかった無症状感染者を拾ったと、そういうことだと思います。

感染者は確かに増えていますが、シンガポールのリー・シェンロン首相は「感染者の98%以上は無症状か軽症者だ。新型コロナはもはや我々の多くにとって危険ではない」という認識を示しています。

さらに、ワクチン接種済みの渡航者の隔離期間を免除し、国境を開放していこうという方向に向かっています。
ワクチンの接種率があがっても感染者数が増えていますが、シンガポールとしては「これが大変なこと」という認識というよりも、どちらかというと容認して、“ウィズコロナ”に向かうという認識のようです。

一方で、同じようにワクチン接種率が80%台を超えているポルトガルでは違いが出ています。

接種率1位も段階的緩和へ コロナに勝利宣言も

人口の84%がワクチン2回接種済みで、世界1位の接種率を誇ります。
ポルトガルではどのような対策を講じているのでしょうか。

規制緩和については、入場制限の撤廃。既にポルトガルではワクチンパスポートの提示義務が終わっているといます。
さらに、営業時間の制限撤廃、バーやクラブ解禁、アルコール販売や野外での飲酒制限の撤廃をしようという段階的な緩和が進んでいます。

今後、規制緩和が進むポルトガルで感染者数が増えていく可能性はあるのでしょうか。

福島・相馬市新型コロナワクチン接種メディカルセンター長 渋谷健司氏:
コロナ感染は基本的にすごく季節性が強いので、1つはまた増えていく可能性がありますし、
ピークに比べてちょっと検査を絞っているので、それも反映されていると思います。

橋下徹氏「無症状者どこに収容?」検査に慎重な姿勢

接種率と感染者数で比較すると、 “ポルトガルが明でシンガポールが暗”なのでしょうか。
規制を緩めていれば第6波がくるのではないかと懸念する声もある中、東京の新規感染者数が60人まで減りました。

福島・相馬市新型コロナワクチン接種メディカルセンター長 渋谷健司氏:
コロナは季節性がすごく強いので、あと1か月くらいするとまた戻ってくると思うのですが、いま規制をちゃんと緩和して、それからワクチンパスポートとか陰性証明とかどんどんやって開いていかないと、いつやるのかというのは確かだと思います。

シンガポールのように検査を尽くすべきなのか、ポルトガルのように検査をそこまで気にぜす、新規の感染者が出てきたらそれに対処するべきなのでしょうか。
今後の対策について、橋下徹氏はこう話します。

橋下徹氏:
渋谷さんが言われる専門家の視点と、やっぱり政治行政を動かしていくその統治者の視点というのは全然違うと思うんですよ。
この無症状陽性者をあぶり出す意味はなんなのかといったところなんですが、重症化しなければ、これはある意味問題ないわけです。
無症状の人を隔離すると言っても収容人数、例えばシンガポール、人口500万人の国と、1億2000万人のこの日本では、これ無症状陽性者を仮にあぶり出したとして、どうするんですかということになる。
それで「病院では収容できません、自宅で隔離」ってことになると、じゃあ「その家族もみんな隔離するんですか」と。感染症の患者を隔離するっていうことは、本当に慎重にならなければいけないのに、いまコロナの話になると簡単に隔離隔離ってなるんですね。
だから無症状者を今の段階ではあぶりだすっていう必要性は僕は全然感じない。

橋下徹氏:
感染症対策をしっかりとやって、楽観すべきではないというのはその通りなんですけれども、日本で1億2000万人の国で検査検査というのは違うんじゃないかと。
これ唯一成功しているのが中国です。中国はいつでもどこでもじゃなくて、一斉に800万人900万人を自宅に待機させて一週間閉じ込められるんですよ。それで検査を5回も6回もやる。そんな国がいいのかっていうことですよね。

渋谷氏は「シンガポールのやり方が合理的」だと指摘します。

福島・相馬市新型コロナワクチン接種メディカルセンター長 渋谷健司氏:
社会を回すっていう面では、隔離っていうことも含めて、無症状感染者をどういう風にしていくかが非常に大事だと思うんですね。それでいて、ほとんどの人が別に感染しているわけではないので、社会を回すためにみんなが社会的距離をとってこわごわとしている状況から、自分で調べて誰が感染しているか、定期的にやることで、社会を回すと。
そういうのは非常にシンガポール的やり方が合理的かなと思いますけどね。

感染者数が減少傾向にあり、段階的な規制緩和が進む日本。
いまの局面で検査をどこまで尽くすのか、さらに議論を深める必要がありそうです。

(「めざまし8」 10月11日放送分より)