プロ野球の運命の日、ドラフト会議が午後5時から都内のホテルで行われた。
選手たちの命運が委ねられる抽選箱の周りに人の姿はない。例年であれば12球団の首脳陣が一部屋に集まり、ファンと一喜一憂を味わうが、今年は新型コロナウイルス感染防止のため、無観客で開催。
今年のドラフト会議は各球団がそれぞれの部屋に分かれて指名し、指名が重なった時に別に用意された抽選用の部屋で抽選を行うなど、異例の開催となった。

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過去最多となる373人がプロ志望届を提出した2020年。
注目の1位指名、身体能力抜群のアマチュア球界ナンバー1スラッガー近畿大学の佐藤輝明(21)と大学ナンバーワン左腕と言われる、早稲田大学の早川隆久(22)に4球団づつ指名が競合した。

佐藤には阪神、巨人、オリックス、ソフトバンクの4球団の競合の末、阪神・矢野燿大監督(51)が交渉権獲得のくじを引いた。

引き当てた矢野監督は「直感で決めました。タイガースファンにも夢を、子供たちにも夢を与えられるようなスケールの大きな選手になってもらえるよう期待しています。早く会いにいきたいです」と期待を寄せた。

そして、早川にはヤクルト、楽天、西武、ロッテの4球団の競合の末、サウスポーの楽天、石井一久GM(47)がくじを引き、155キロ左腕・早川の交渉権を獲得した。

千葉・木更津総合高校のエースとして春夏3度の甲子園に出場。早大に進学し今秋のリーグ戦は5試合で4勝0敗、防御率0.25と抜群の成績を残している早川に、楽天の石井GMは「今年一番の投手。球界を背負っていける投手だと思っている」と期待を寄せた。

西東京市の野球部室内練習場で記者会見に臨んだ早川は「やっとスタートラインに立てました。でも、スタートラインに立っただけ。うれしいですが、ここからが勝負だという気持ちになりました。(早大で)キャプテンだった茂木さんや、福井優也さんがいて、心強いというか、頼もしいチームと感じています。自分も即戦力として、試合に出られたらと思います」と意気込んだ。

加藤忍
加藤忍

早稲田大学卒業。フジテレビ入社。スポーツ局すぽると!ロッテ担当、ヤクルト野球中継などを経て現在は報道局兼スポーツ局。