今週は各党の政策についてお伝えしていますが、30日はもしもの時のために日本はどのように備えたらいいのか。
「安全保障」について、フジテレビの高田圭太政治部長と見ていきます。
遠藤玲子キャスター:
なぜ安全保障が選挙で注目されているのか。その理由は最近の日本を取り巻く環境にあります。
まず中国は海洋進出を強化していて、台湾周辺で軍事演習を行っています。北朝鮮は、衆院選の公示日に弾道ミサイルを連射させました。核・ミサイルの技術が向上しているということですね。そして、ロシアが中国と北朝鮮との連携を強化している中で、アメリカはトランプ大統領が日本に対して防衛費の増額を要求しています。
青井実キャスター:
新年度予算の防衛費は初めて9兆円を超えたということから、今回の選挙で安全保障というのが1つの争点だというわけですね。
フジテレビ・高田圭太政治部長:
日本は憲法9条の下で戦争を放棄して戦力を持たないということでやってきて、先手防衛の下で控えめにやってくる。ただアメリカの助けは借りるというやり方やってきたが、これだけ国際環境が厳しくなる中で弱肉強食の世界へもう一歩行くのか、それとも抑制的な姿勢を維持するのかの岐路には立っていると思います。
青井実キャスター:
各党の公約を見てもグラデーションがあって、賛成・反対と各党それぞれ主張が分かれているんですけれども、有権者としてどのような点を見ていけばいいんでしょうか。
フジテレビ・高田圭太政治部長:
大まかに分かれていますが、「防衛力の強化」。いろんな点で強化というのがありますけれども、賛成の方向なのが、自民・維新・参政・保守。防衛力強化反対が、共産・れいわ・社民です。強化するけれども多少の抑制的なところが必要というのが、中道・国民・みらいだったり。そういった構図になっているので、どれが今後の日本の安全を守っていくためにいいのか、よく考える必要があると思います。
遠藤玲子キャスター:
そして安全保障の議論の中で注目されているのが、「非核三原則」を堅持するのか、見直すのかです。
そもそも非核三原則とは唯一、日本が戦争被爆国として核兵器について「持たず」「作らず」「持ち込ませず」と定めた原則のことです。1967年に安倍元首相の大おじに当たる当時の佐藤栄作首相が表明して、佐藤首相は当時これによりノーベル平和賞を受賞しています。
青井実キャスター:
高田さん。今、非核三原則がポイントになっていることについて教えてください。
フジテレビ・高田圭太政治部長:
日本としては、非核三原則を国是として掲げてきたんですけど、北朝鮮や中国の圧力が増してくる中で、アメリカによる、核による抑止力。「拡大抑止」という言い方をするんですが、拡大抑止を強化するためには、アメリカの核が持ち込まれる、もしくは緊急時におそらく持ち込まれることを、公に認めてもいいのではないかという議論があるんですね。
青井実キャスター:
柳沢さん、当時佐藤栄作首相が表明したのは学生時代のころだと思いますが。
SPキャスター・柳澤秀夫さん:
中学生ですね。60年安保が終わって70年に向けて安保改定の時期だったので、何となく戦争を巡る話というのは、街の中でデモがあったりしました。唯一の戦争被爆国ということで非核三原則は当然のことだろうと。とはいえ当時、米ソの核開発競争が進んで中国も核実験をやった時代なので、そういう中で日本はどういう進路をとるべきなのかというのは国民の中でも大きな関心になっていましたね。
青井実キャスター:
今でもポイントとなっているということですね。
遠藤玲子キャスター:
各党がどのように公約として載せているのか、載せていないのか。
非核三原則という言葉を盛り込んでいるのかなどを踏まえて立場をまとめると、“堅持する姿勢”なのが、中道・共産・れいわ・減税ゆうこく・社民・みらいの6党。公約で“見直し”に直接触れているのが参政党。そして、公約に非核三原則という言葉を使って“明記していない”のは、自民・維新・国民・保守の4党ということです。
青井実キャスター:
今回「堅持する姿勢」「見直し」「公約に明記せず」の3つに分けていますが、違いがあったりどんなところがポイントだったり、なぜ明記しないのかというところ教えてください。
フジテレビ・高田圭太政治部長:
堅持する姿勢の中道・共産・れいわ・減税ゆうこく・社民・みらいの6党は、「持ち込ませず」についても変えるべきでないと。日本の国是を守るべきだと。その中で核兵器廃絶など、さらに共産党は法制化まで必要だという強めの立場ですよね。見直しは、実は参政党しか触れていないんですが、公約に明記せずというところ。
拡大抑止のあり方というのは、しっかり議論すべきという話はありますが、非核三原則ということにはあえて踏み込んでいない。この議論の中でももちろん濃淡があるんですが、これをどう捉えるのかが選挙では分かりにくい部分になっていると思います。
青井実キャスター:
高市総裁は首相になる前は、非核三原則について「邪魔になる」と主張していたこともありましたが、今回は公約では触れていないということなんですね。
遠藤玲子キャスター:
26日の党首討論で高市首相が非核三原則の見直しについて、「非核三原則を政府としては政策上の方針として堅持している。(Q.見直しでいくつもりはあるか)それは作業中なので、私一人が予断を持ってお答えすることはできない」と述べています。
青井実キャスター:
高田さん、政府としてはという話ですが発言をどうみますか?
フジテレビ・高田圭太政治部長:
高市さんの以前の発言からすると、高市さんご自身は「持ち込ませず」については見直す余地がある。少なくとも議論したいという気持ちがあるんだと思います。ただ、いま選挙前にそれを声高に自分が言う必要はないかもしれないし、自民党の中でコンセンサスもまだ得られていないので、慎重な言い方にしているところだと思います。
青井実キャスター:
柳澤さんはこの発言を含めてどう思いますか?
SPキャスター・柳澤秀夫さん:
曖昧なことというのは気になりますね。これが法律であったり閣議決定されたものであれば、「こういうことです」と国民に信を問うことがあると思いますが、曖昧なまま、今度の選挙で私が総理大臣でいいんですかという白紙委任状をくれといわれても、何をもってあなたを信頼すればいいのか。ここの部分については、はっきりした方針を示してもらうということが国民にとっては一番必要じゃないですかね。
青井実キャスター:
ただ、選挙戦はスタートしているということになりますよね。
フジテレビ・高田圭太政治部長:
どうしてもいまは解散の大義や物価高対策のほうに注目が集まっているんですが、安全保障。特に非核三原則、日本の国是を守るにしても見直すにしてもしっかりとした議論が必要なので、今後まだ選挙戦の時間があるので、こうした議論もよりしっかり聞いていきたいなと思いますね。