千葉・富津市は18日、国定公園・鋸山の「ラピュタの壁」で夜の観光促進を目的としたライトアップを開始した。

幻想的な光景に地元住民から歓迎の声が上がる一方、SNSでは生態系への影響や「光害(ひかりがい)」を懸念する批判が相次ぎ、一時中止に追い込まれた。

ライトアップについて地元住民の受け止めを取材した。

1.5km先からサーチライトで崖を照射

暗闇の中、青い光の筋が走る。海を越え、光が照らしだしたのは「ラピュタの壁」と呼ばれる観光名所の山の壁面だ。

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近隣住民:
あー、ライトアップですか?なんかオーロラみたいな感じ。キレイだった。

観光の目玉となるライトアップに歓迎の声が上がる中、ネット上では「せっかくの夜空が台無し」といった批判の声が上がった。

27日「イット!」取材班は、国定公園に指定されている鋸山がある千葉・富津市に向かった。

絶景が望める鋸山の見どころは、なんといっても「地獄のぞき」だ。

断崖絶壁の岩場から下をのぞき込むと、足がすくむようなスリル満点の光景が広がる。

地獄のぞきから崖下をのぞいた景色
地獄のぞきから崖下をのぞいた景色

市は夜の観光の目玉を作ろうと、約350万円をかけて通称「ラピュタの壁」と呼ばれる石切場の跡地に、18日からライトアップを開始した。

取材班:
光がピーンと通った?

近隣住民:
そう、1本。息子が(車で)送ってくれると言うから写真を撮りに行った。

近隣住民:
帰る途中に道の上をライン上に(光が)通っているから。うまく光がよけて通ってる。もっと明るければもう少し良いかな…。

一方、SNSでは「やめてほしい。山の動物や鳥が怖がります」「ケバケバしいライトで静かな夜を味わう権利を奪っている」「明らかな光害で賛同できない」と、批判の声が相次いだ。

こうした批判を受け、ライトアップは一時中止になる事態に追い込まれた。

光害とは、過剰な照明がもたらす悪影響のことをさす。

環境省の光害対策ガイドラインでは「夜空に向けたサーチライトの使用は夜空の明るさへの影響が大きく、避けるべきである」と記されている。

取材班:
鋸山のライトアップは、設置された照明で山に向けて照射しています。

ラピュタの壁がある山には、約1.5km離れた港の方面からサーチライトを照射。

さらに崖下から壁面をライト6台で照らしている。

批判受け一時中止していたライトアップを再開

ライトアップの光は住民生活に影響はあるのか?

近隣住民:
上に向けてライトをしてるって言うから、住民にはあまり影響はない。素敵なものなので…これを機に富津に見に来てもらえれば、全然観光客が増えれば嬉しいことだと思う。

近隣住民:
そんな(光は)強烈ではないですよ。というか鳥は関係ないね、夜だから。田舎町だから寂しくなっちゃう一方だから、できればいろんな人に来てもらって、にぎやかになるの良いのではないかなと思いますね。

市は機器の調整と必要な確認を改めて行った上で、23日からライトアップを再開した。

おいしいケーキが自慢の地元のカフェ「あるぽるとカフェ」からは、観光客のにぎわいに期待したいとの声が上がっていた。

あるぽるとカフェ・吉村オーナー:
光がふわーっと届いている感じで幻想的というか。いつも見られない鋸山の姿が見られる感じで。(ライトアップを)もっといろんな人に知ってもらえたり、来てもらえたりすれば嬉しいですね。

富津市は、イット!の取材に対し「ライトアップの時間は日没から午後9時までで、深夜帯の照射は行っていない」とし、さらに「遮蔽物のない夜空へ直接照射することは行わず、光が上空に拡散しないよう方向及び角度を制御している」としている。
(「イット!」1月27日放送より)

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