閉山に伴い登山道の通行が禁止されている富士山だが、直近1カ月で遭難事故が3件発生し、このうち1人が死亡している。8合目から山頂までの土地所有者に厳冬期の富士登山に対する見解を聞いた。

富士山では12月29日以降、1カ月の間に3件の遭難事故が発生し、このうち1人が死亡した。

直近では1月18日に都内に住む中国籍の男性(20)が8合目付近の登山道を下山中に転倒し、そのはずみで滑り落ちたことで右足首を骨折。

その後、警察や消防によって救助されている。

静岡県警によれば、男性は登山道が冬季閉鎖されていることを知っていた一方、登山歴は浅く、富士山を登ったことがあるのは夏山シーズンに1回のみで、他に中国で複数回、登山をしたことがあるだけの“初心者同然”だった。

富士山5合目から山頂までの登山道は、冬の期間、道路法第46条の規定に基づき通行が禁止されていて、違反した場合は6カ月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処される可能性があり、県や県警も注意を呼びかけている。

ただ、登山道以外への立ち入りを禁止する法的根拠は何もない。

このため、登山道さえ通行しなければ「厳冬期も登ってよい」と主張する声も散見される。

一方で、富士山の8合目以上は富士山本宮浅間大社の奥宮境内地(気象観測所及び登山道を除く)となっていることはあまり知られていない。

そこで、富士山本宮浅間大社に厳冬期の富士登山に関する見解をたずねると「閉山期は登山道の通行が規制されているので、通行止めと共に登山禁止の立場であります。静岡県に準じています」とコメントした。

静岡県警では山岳遭難に対応するため、地域課、警備課航空隊のほか、主に富士山を管轄する御殿場署・富士宮署・裾野署、主に南アルプスを管轄する静岡中央署のメンバーで救助隊を編成し、日々、訓練に励んでいる。

山岳遭難救助隊の発足から半世紀以上となるが、卓越した登山技術と専門的な知識により、これまで救助活動中に命を落とした隊員はいない。

ただ、その任務は常に危険と隣り合わせで、関係者は「隊員も非常に過酷な状況の中で現場に向かっていて、救助する方も命懸け」と話し、富士宮市の須藤秀忠 市長は閉山期間については救助を有料化するよう訴えている。

テレビ静岡
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