医師からの処方箋なしで購入できる緊急避妊薬「ノルレボ」が2月から市販化される。性交後72時間以内に服用することで約8割の確率で妊娠を防ぐ効果があるが、一般の市販薬のように簡単に買えるわけではない。どのように購入し服用できるようになるのか、取材した。
緊急避妊薬「ノルレボ」2月2日から市販化
2026年2月2日から、国内で初めて医師からの処方箋なしで緊急避妊薬「ノルレボ」が購入できるようになる。

この薬は、避妊に失敗した場合に性交後72時間以内に服用することで、約8割の確率で妊娠を防ぐ効果がある。
厚生労働省に登録申請した薬局などが販売を許可されており、宮崎県内では84の薬局で販売が始まる予定だ。
悪用・乱用防止へ厳格な販売条件
今回の緊急避妊薬は一般の市販薬とは異なり、様々な条件下での服用となる。
厚生労働省は、緊急避妊薬を販売する薬局に対し、購入者のプライバシーに十分配慮するよう求めており、薬局側は個室やついたてで仕切った場所などを確保する必要がある。

都城市の「ひまわり薬局」では、女性のプライバシーを最大限確保した状態で販売・服用できるよう、個室を用意し、裏口から誘導して話を聞く形を取っている。

また、対応できる薬剤師も限定される。事前に研修を受けた薬剤師のみが、性交からの時間や女性の体調などを確認した上で、販売の可否を判断する。

さらに、緊急避妊薬の購入後は転売などの悪用や乱用を防ぐため、薬剤師の目の前で服用することが義務付けられている。

県薬剤師会 中津留敏裕常務理事:
緊急避妊ということ自体を女性がどのように理解しているか、的確に薬剤師が情報を伝えて、ルールを伝えていく使命を強く感じている。

宮崎県内では、2月2日から84の薬局で緊急避妊薬の販売が始まる。厚生労働省のウェブサイトから薬局の名前や夜間対応の有無などを確認できる。メーカーの希望小売価格は1錠7,480円だ。
県薬剤師会は、対応できる薬剤師が限られているため、事前に電話で問い合わせるよう呼びかけている。
正しい避妊知識が重要
緊急避妊薬の市販化に向けた議論では、悪用や乱用の恐れ、性教育の遅れなどの理由で、議論開始から市販化まで約9年を要した。緊急避妊薬の市販化が進んだ背景には、世界約90カ国では緊急避妊薬が薬局で手に入る状況がある。

県産婦人科医会 川越靖之会長:
世界的には緊急避妊薬が薬局で手に入る国が多い。日本ではなかなかアクセス自体が改善されていないという状況があったので、そういうところの改善というのが主な目的だと思う。
「 必要な人に必要な時に届くということが、今後実現されるのでは」と評価する一方で、懸念点もあるという。
県産婦人科医会 川越靖之会長:
あまり頻繁に使う薬ではない。避妊に失敗した場合には、次からきちんと避妊具を使う。例えば、ピルを持続的に飲むなど、そういうことが必要になってくる。

厚生労働省「衛生行政報告例」によると、宮崎県内の人工妊娠中絶率は、2020年度と2021年度が全国ワースト1位、2024年度もワースト3位と、依然として高い状況が続いている。
川越会長は、緊急避妊薬の市販化は「中絶を減らす一定の効果はある」としたうえで、緊急避妊薬を飲んだからといって100%妊娠しないわけではないということも知ってほしいと話す。
緊急避妊薬があるから大丈夫ということではなく、しっかりと避妊をするということを認識することが大切だ。
また、避妊や生殖の仕組みだけでなく、人間関係や性の多様性など、幅広いテーマを含む包括的性教育が重要だ。緊急避妊薬の市販化はゴールではなく、性について知り、考えていくことのできる仕組みを整えていく必要がある。
(テレビ宮崎)