東京電力は1月20日、福島第一原子力発電所で処理水放出によりカラになった新たなタンク群の解体作業に着手した。
新たに着手されたのは「J8エリア」と呼ばれる9基の溶接型タンクがある場所。このタンクには処理水放出の基準を満たす前の“処理途上水”が貯蔵されていた。2025年夏からタンク内の水の移送作業などを実施し、解体準備を行っていた。
福島第一原発での処理水の海洋放出は2023年8月に開始され、2025年12月には通算17回目の放出が完了。これまでに約13万3,000t(タンク約133基分)の処理水が放出された。
処理水の放出は、敷地を圧迫する1000基あまりのタンクを減らし、廃炉のためのスペースを開けることが大きな目的のひとつ。2026年1月8日の時点で、処理水等の貯蔵量は放出開始前から約6%減少している。貯蔵されている水の中には“処理途上水”も含まれている。
処理水放出によりカラになった溶接型タンクの解体をめぐっては、2025年2月に初めて「J9エリア」と呼ばれるタンク12基分の場所の解体に着手し、9月に完了。ここには処理水が保管されていたが、今回着手されたエリアに保管されていたのは“処理途上水”であることから、別のタンクに水を移送する際には被ばく対策などをより考慮しながら作業が実施されたという。タンク内の放射線量が周辺の放射線量の平均値以下であることが確認されたうえで解体に着手された。
2026年度末の解体完了を目指しているということで、すでに解体が完了している「J9」とともに3号機の燃料デブリ取出し関連施設の建設場所として計画されている。
国と東京電力が掲げる福島第一原発の廃炉の完了は2051年。
東京電力は2025年7月、3号機の燃料デブリ大規模取出しについて「準備に12~15年かかる」としたうえで、本格的な取出しの開始を2037年度以降とする工程案を示した。これまで掲げられていた目標である「2030年代初頭の着手」の達成は極めて困難な状況となっているが、最終的な廃炉の達成や処理水の放出完了時期については計画を変更していない。