尖閣諸島めぐり稲田氏ら自民保守派が下村氏に3つの提言

自民党の稲田元防衛大臣らは10月23日、下村政調会長に対して「尖閣諸島の調査開発を進める」ことを、自民党の政権公約に盛り込むよう求めた。要望したのは今年8月に設立された自民党保守派の議員連盟「尖閣諸島の調査・開発を進める会」だ。この議員連盟は、尖閣諸島の調査実施に関する法整備を目的として設立され、法案への賛同者は22日現在で自民党の国会議員107人に上る。

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稲田氏は「最近の尖閣の情勢が“サラミスライス”(サラミを少しずつ切るように行動を積み重ねて現状変更を狙う戦術)と言われるように、あたかも法執行を中国がやるかのようなそういう外観を作り出そうという試みがエスカレートしている」と指摘している。

今回、稲田氏らは自民党の政策責任者である下村政調会長に対して以下の3点を要望した。1つは、尖閣諸島海洋調査の推進に関する法案成立の推進、2つ目は、1979年以来実施されていない海洋生態調査を実施することを党の選挙公約とすること、3つ目は尖閣諸島の実効支配を進めるための小委員会を政務調査会の中に設置することだ。

要望後、取材に応じた稲田氏は、下村政調会長から「公約に関しては全くその通りだ。そういう方向性については同意する」「必要があれば議員立法についてのPT(プロジェクトチーム)を作って進めることではどうか」と前向きな回答があったことを明かした。

また同席した青山繁晴参院議員は「2012年に政権に戻る時の公約には尖閣への“公務員の常駐”が入っていた、その後はっきり言ってトーンダウンしているから元に戻してください」と要望したうえで、下村氏に対して「自民党の意志がはっきり中国側にも政府側にも伝わるようにお願いする」と求めた。

日本の実効支配をより確実にする狙い…政府与党内慎重派との調整が今後のカギ

下村政調会長自身も、この議員連盟のメンバーの一人であるため、公約に盛り込むことや法案整備の必要性に関しては一定の理解を示している。尖閣諸島を巡る情勢は、中国公船の日本領海内への侵入が相次ぐなどしていて厳しさを増している。

こうした中で議員連盟としては、尖閣諸島への中国のサラミスライス戦術による侵犯が進めば、日米安保条約において「日本国の施政の下にある領域」を対象に共同で危険に対処するとした第5条の適用が揺らぎかねないことを懸念していて、その維持を確実にするためにも、調査・開発を進めることで日本の「実効支配」をより明確にしたい狙いがある。

議員連盟は、自民党内での議論や、自公両党間の調整を経て、来年の通常国会にも尖閣諸島海洋調査の推進に関する法案を提出し成立を図りたい構えだ。ただ、中国を刺激し事態が悪化することを懸念する政府与党内の慎重派と折り合うには難航も予想される。

(フジテレビ政治部・門脇功樹)