突如持ち上がった大阪都構想“再々”挑戦のための”出直し知事・市長ダブル選挙”。
大阪都構想3度目の挑戦のため、出直し“ダブル選挙”に挑む決意を、15日夜7時から会見で表明する予定だった吉村知事と横山市長。
しかし維新党内では反対意見が多数を占める異例の展開で、維新党内の会議が紛糾。会見の開始予定時刻を大きく超える事態になりました。
【吉原キャスター】「定刻から1時間半以上超えて、厳しい表情で姿を見せています」
会見では「大阪都構想への再挑戦。出直し知事選挙を行いたい」と吉村知事が語りました。
想定外の事態となった15日夜、「newsランナー」は、大阪都構想に2度挑んだ“維新の創設者”松井一郎さんを取材。
【維新創設者 松井一郎元代表】「吉村さん“勘違い”してるんじゃないの。王様じゃないんやから」
その口から出たのは、”ダブル選”への厳しい指摘。強引ともいえる決断の背景には何があるのか。「newsランナー」独自取材で迫ります。
■2度否決され 松井さんは引退、吉村知事は「挑戦することはない」
大阪市を廃止して、特別区に再編するいわゆる“大阪都構想”。
「維新の1丁目1番地」の政策として、2015年と2020年に住民投票に挑むも、2度とも僅差で否決されました。
そして吉村知事、松井市長の体制で挑み否決された2度目の住民投票の後には…。
【大阪維新の会代表 松井一郎大阪市長(当時)】「僕自身の政治家としては、けじめをつけなければならない。市長の任期をもって、僕の政治家としての任期を終了いたします」
大阪維新の会の創設者、松井一郎さんが引退を表明。
そして、吉村知事もこう明言しました。
【吉村洋文知事(2020年)】「この大阪市民の皆さんの判断を、僕は政治家として率直に受け止めようと思っています。僕自身が大阪都構想に挑戦することは、もうありません」
しかし今週、高市総理の衆院解散に合わせて、3度目の都構想挑戦のため吉村知事、横山市長が“出直しダブル選挙”に臨むという報道が流れ、事態は急展開。
15日、夜7時から「記者会見を開いて説明をする」としていました。
■維新の大阪市議団は困惑「説明を受けていない」、「意味が分からない」
しかし…
【大阪維新の会・大阪市会議員団 高見亮幹事長】「なぜこの時期であるのか。(市議)団としても理解に苦しむ」
会見に先立ち、維新の大阪市議団からは困惑の声が…。
さらには国会議員たちの大多数が、「説明を受けていない」、「“ダブル選挙”をする意味が分からない」などと反対する異例の展開になりました。
■「吉村さんの“勘違い”」「都構想が遠のく」と松井さん
そんな中、15日夜「newsランナー」が取材したのは、維新の創設者で都構想に挑戦した松井一郎さん。
共に夜7時からの吉村知事・横山市長の会見を見て、その胸中や背景に迫る取材を行う予定でしたが…
(Q.大変恐縮なんですけど、全体会議がすごく押して…)
【元大阪市長 松井一郎さん】「そら押すわな、それだけもめたら」
「会見のスタートも押しちゃいそうなんですよ」と取材班が言うと…
【元大阪市長 松井一郎さん】「何言うてんの!それはあかんよ、もう俺も民間人としてのスケジュールがあるんやから。
もうご飯も食べなあかんしやな、60歳超えたら、早よ寝やなあかんねん。寿命が縮まります!
孫もまだ4歳と2歳やからな、長生きしたらなあかんねん、ほんまに。きょうはもう、こんなぐらいにしとこ。もう、あしたの『よーいドン!』始まってまうわ」
早く引き上げようとする松井さん。何とか引き止め、なぜこのような事態に陥っているのかその背景を聞きました。
【元大阪市長 松井一郎さん】「筋がちょっと無理筋やから。吉村さんの“勘違い”みたいなのがあるんじゃない?『俺が言うたら全員付いてきよる』っていう。
そんなもんじゃないと思うで。今の吉村さんでいくと、北朝鮮か中国かロシアみたいになってしまう」
「党内での説明が十分ではないままに、吉村・横山両氏の独断で決めてしまったことに原因がある」と指摘。
(Q.松井さんは悲しくない?)
【元大阪市長 松井一郎さん】「残念よ。(都構想は)大改革なわけで。チームの中でやっぱりバラバラなるような形では、成し遂げられへんよ。余計にその状況では、都構想が遠のくような気がする」
自らも政治生命をかけて挑んだ大阪都構想と、共に戦った吉村知事に対して、複雑な胸中を語りました。
■「くだらんメンツとプライド」と松井さんの厳しい指摘
そして、大阪維新の会のメンバーに説明する全体会議が、予定より40分以上遅れて開始。
【大阪府 吉村洋文知事】「きょうは皆さんに自分の思いも含めて、重要なお話をさせていただきたい。
松井さんとタッグを組み2回目の住民投票をやりました。ここも僅差で否決となりました。(住民投票の後)松井さんからは『吉村は残れ』と話がありました。
非常に悩みましたが、大阪維新の会が好きだし、日本維新の会が好きだし、維新の改革が好きだし、代表として力及ばずですけど、この間やってました。
『都構想』に、大阪の成長のために、未来のために、また挑戦したいという思いが強くなり…」
この大阪維新の会の全体会議を見ながら、松井さんに感想を聞きました。
(Q.吉村さんはどんな心境だと?)
【元大阪市長 松井一郎さん】「もう自分で決めたと。全体会議って言うけど、吉村さんの報告になってるよね。もう吉村さんが、ここは一歩引くべきやと思う。“ゴリ押しの戦い”に挑んでいく方が、指揮官としては失格やと思う」
結局、松井さんと約束をしていた取材時間中に全体会議は終わりませんでした…。
【元大阪市長 松井一郎さん】「くだらんメンツとプライドやなぁ。大将は引くことも一つの器やねんけどね」
■党内からは「進め方、タイミングについて」疑問の声
午後8時半ごろ全体会議が終わりました。
【日本維新の会 馬場伸幸前代表】「みんな大阪都構想やりたい。適当いうたら怒られるけど、荒いやり方でやって、もし今度大阪都構想がダメで、リーダーを失うことを避けたい」
馬場伸幸前代表は取材に対し、「党内からは進め方やタイミングについて、多くの疑問の声が上がった」と明かしました。
■“ダブル選”実施の後に党内に説明
定刻から1時間半以上超えた午後8時40分に、吉村知事・横山市長が会見場に姿を現しました。
【吉原功兼キャスター】「維新OBの松井一郎さんや橋下徹さんは『タイミングが今じゃない』と。党の中で大きなしこりになりかねない状況ですが、それでも決断した理由とは?」
【大阪府 吉村洋文知事】「時期について、いつが適切かは分からない。正解はないと思います。異論もあるでしょうし、違う考え方もあると思う。反対の意見もある中での決断。丁寧に説明を尽くしていくことにつきるかと思います」
記者会見でもあくまで「“ダブル選挙”を実施し、その後、党内に対しても丁寧に説明をする」と繰り返した吉村・横山両氏。
■翌日には吉村知事・横山市長が辞職届を提出し“ダブル選挙”が決定
そして一夜明けた16日午前。
【吉原キャスター】「吉村知事です。今登庁です。緊張した表情に見えます」
【大阪府 吉村洋文知事】「辞職届を提出させていただきたいと思います」
府議会・市議会の議長に、知事・市長ぞれぞれが辞職の申出を行い、出直し選挙に臨むことが正式に決まりました。
■大阪市民も困惑「期待している」「このままいって」
身内の中でも大きな混乱を呼ぶこととなった、今回の出直し“ダブル選挙”。
大阪市民はどう捉えているのでしょうか。
【大阪市民】「解散総選挙と合わせてきたところに、いやらしさを感じるところはあるけど、市民としては、どちらに転んでもうまくいくようになってもらわんと困る。そこら辺は期待しています」
【大阪市民】「なんでそれ今するんかなっていう感じ。吉村さんもうちょっと続けて、このままいってほしいと思っているので」
党内、そして市民からも困惑の声が聞かれる中、“ダブル選挙”に突入します。
(関西テレビ「newsランナー」2026年1月16日放送)