4期目の任期が残り1年を切った福岡市の高島宗一郎市長がTNCの単独インタビューに応じました。自らが主導した市の再開発促進策「天神ビッグバン」の大きな節目を迎え、さらに進化を続ける福岡市。交通インフラの未来図から「副首都構想」、そして気になる自身の進退について語りました。(聞き手はTNC報道センターの川崎健太記者)

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2026年は「節目の年」

--2026年が始まりました。今年、福岡市をどのような街にしていきたいとお考えですか。

高島市長:
市民生活をより良く、夢が描けるように安心して暮らしていけるような街にしていきたいという思いは毎年変わりません。あえて今年というなら「節目の年」です。3年間かけて策定した今後10年間の指針「マスタープラン」の実行初年度にあたります。「天神ビッグバン」も2026年末までに93棟の竣工という1つのリミットを迎えます。これらのプロジェクトをしっかり成功に導くのも大事な役割だと考えています。

交通インフラ整備の優先順位は

--市民が特に関心を寄せているのが交通インフラです。地下鉄の延伸や福岡空港国際線ターミナルへの接続、西鉄貝塚線の直通運転など多くの検討事項がありますが、優先順位はどのように考えていますか。

高島市長:
「どれ」と言ってしまうと政局化してしまうのでフラットに「実現可能性をしっかり検討する」という段階です。1点、フリップでは七隈線を延伸する前提になっていますが空港線を延伸するかもしれないんですよ。どうやって国際線ターミナルに接続するかということも含めて検討したいと思っています。

--市民にとっての必要性という意味では国際線との接続は大きいと思いますが、いかがでしょう。

高島市長:
市民の皆さんにとって最も必要なのは混雑緩和だと思います。七隈線については4両編成から6両編成に増やしてキャパシティを150%にします。すべての駅のホームを延伸する大掛かりな工事になりますけど、これで利便性を向上しようと。そしてさらに七隈線をどうするのか、空港線もどうするのかという話になっていきます。課題として上がっている内容はこれまでも必要性などはあっても、現時点までできていないのは費用対効果が簡単にあわないとか、周辺の土地買収の問題とかがあってできていない。それを今回、マスタープランにしっかりと書き込んでどうすれば実現できるのかという視点で探るということをしっかりしていきたいと思っています。

--スケジュールはどのように考えていますか。

高島市長:
どういう手法でやってどのくらいのコストがかかるのか、さらに国から免許ももらわないとできないので、そう簡単にすぐ「何年後にできますよ」とはなかなか言えませんが時間はかかってもスタートは切るべきです。例えば現在の都市高速道路も「実現不可能だ」と言われたものを先人たちが計画し、長い時間土地を買収して、今ぐるっと回れる環状型の都市高速にしました。こんな環状型の都市高速があるのは東京と福岡だけなんですよ。先人がいつか完成する日に向けてこつこつと作ってきてくれたから、次の世代である私たちがその恩恵にあずかっているわけです。だから我々も将来世代のために一歩ずつ踏み出していくことができたらいいなと思っています。


5期目の挑戦「自分の口からは言うタイミングではない」

--高島市政も15年となります。「スタートアップ都市宣言」や「天神ビッグバン」「博多コネクティッド」などさまざまな取り組みがあって、すべてをやり遂げるには4期目の残り11カ月では時間が足りないように思えます。5期目への挑戦についてはどうお考えですか。

高島市長:
1期、2期、3期…というのは機械的な4年ごとの区切りなので私はあえて意識しないようにしてるんです。なぜかというと例えば、私が「じゃあもう4期で終わりますね」などと言うと、1年間で成果が出る短期的なことに目がいってしまう。市民生活というのはずっと切れ目なく続いていくので、短期はもちろん長期的なものもしっかり見据えながら市政をしていくというふうにしたい。実際にどうするかは本当に近くなって適切なタイミングになれば、そうしたことも考えていきたいと思っています。

もし私が5期目もするということならば、当然「天神ビッグバン」や「博多コネクティッド」もありますし、税収を上げていかに隅々まで市民生活を豊かにしていくか、社会的弱者の皆さんとか子供とか高齢者の皆さんが住みやすくなる福祉サービスをしっかりやっていくということは4期も5期も6期もずっと…、などと言いながら、申し訳ないですがこの時期に選挙のことを考えた市政というようなことを自分の口からは言うタイミングではないのかなと思っています。

--現時点で5期目に臨む可能性は否定しないということですか。

高島市長:
次に向かう可能性だとか、もしくはそこで辞めるみたいな、そんなことも含めて現時点では考えるタイミングではないのかなと思っています。いずれの道を選ぶにしても、4期目の任期をしっかりと全うすることが私にとって今課せられていることかなと思っています。

「次にバトンをつなぐのもまた仕事」

--いま進んでいるプロジェクトをみて、5年後10年後に市長として関わっていたいと思いますか。

高島市長:
私は幸せなことに、例えば地下鉄七隈線の延伸を決めて博多駅までつながるとこまで見ることができた。天神ビッグバンも2期目にスタートして、少なくとも前期の93棟の完成というところまで自分の目で見ることができる。プロジェクトを始めて終わりまでしっかり見届けることができるのはすごく幸せだと思います。でも最初から最後まで見ることができる人はそんなにたくさんいるわけではないし、中長期にわたる取り組みは始めること自体も大変で、痛みを伴って、皆さんにご理解をいただく努力をして、次にバトンをつないでいくこともまた仕事だと思います。

--戦後の政令市の市長として5期目というのは異例ですが、当然多選に対する批判の目も厳しくなると思います。そのあたりはいかがですか。

高島市長:
外しか見えなくて、自分のことが見えないのが人間の目ですよね。5期目と聞いたら当然これは長くなっているというのは、私が人を見ていて当然そう思う。なかなか自分でやっていると…、私自身、年齢的にもスタートが30代でまだ50代なので「そうか、自分も気づけば長くなったもんだ」というところはある。モチベーションとか体力とかは衰えることも全くない一方で「長くなってきているね」という声が出てくるのは当然だと思うし、そういう時期を迎えたときにそれでもなお行くのかどうか、参考の1つとして考えていくことになるでしょうね。(つづく)

テレビ西日本
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