中部国際空港の開港や愛知万博の開催など、名古屋に勢いがあった2000年代。当時、全国から注目を集めた存在が、巻き髪に高級ブランドを身につけ、街を華やかに彩った「名古屋嬢」です。あれから20年。名古屋嬢は今、どのように変化しているのでしょうか。

■2000年代の名古屋嬢ブーム

名古屋嬢とは、2000年から2009年頃に流行し、“名古屋巻き”と呼ばれる巻き髪に、高級ブランドのバッグや時計を身につけ、街を闊歩していた名古屋の女性たちのことです。

まずは街で、名古屋嬢のイメージを聞きました。

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30代の女性:
「私が学生時代の名古屋嬢は、髪をコテで巻いていた」

17歳の女性:
「知らないです」

別の30代の女性:
「華やかお嬢様スタイル」

多くの人が思い浮かべるのは、「巻き髪のお嬢様」といったイメージのようです。

■名古屋嬢の特徴と背景

1987年創刊、東海地方の情報誌「KELLY」の編集長・堀井好美さんに話を聞きました。

堀井さん:
「名古屋嬢はふわっとした感じで、“全方位巻き”のようなヘアスタイル。親子3代で住んでいて、お金を使える環境にあることも特徴」

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2000年代の愛知県は、トヨタ自動車を中心とした製造業が経済を牽引し、県民所得は東京に次いで全国2位。さらに、当時の名古屋の女性は実家暮らしが多く、経済的な余裕があったことに加え、もともと派手好きな県民性もあり、名古屋嬢が生まれたといいます。

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堀井さんによると、名古屋嬢は、ふんわりカールの“名古屋巻き”、“高級ブランド品に身を包む”、そして“母や祖母と仲が良い”といった特徴があったそうです。

■かつて名古屋嬢だった女性は今

続いて話を聞いたのは、巻き髪が印象的だった元東海テレビアナウンサーの清水美紀さん(45)。広島県出身で、2002年から2010年まで東海テレビに在籍し、夕方ニュースのメインキャスターも務めました。

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清水さん:
「広島時代はどちらかというとストレートでした。栄のデパートで、グリングリンに巻いたモデルさんを見て『かわいい』と思って、私も巻いてみたのがきっかけ」

名古屋嬢ブームの真っただ中で、愛知万博や中部国際空港の開港など、元気な東海地方をキャスターとして伝え続けてきました。

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清水さん:
「巻き髪は命。ここに髪がくることで、華やかに見えるんです」

もう1人は、元ジェイアール名古屋タカシマヤの名物広報で、現在は起業している犬飼奈津子さん(46)です。

犬飼さん:
「常にガスコテ(携帯用ヘアアイロン)を持ち歩いていました。高校の時に名古屋巻きを始めて、制服で遊びに行くときはヴィトンのバッグでした」

当時購入した時計などのブランド品は、今も愛用しているといいます。学生時代はアルバイトをいくつも掛け持ちし、フランスまでブランド品を買いに行ったこともあったそうです。

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犬飼さん:
「今は、そこら辺の若い子より元気なおばちゃんだと思います」

かつて名古屋嬢だった清水さんも犬飼さんも、今も変わらず元気に活躍しています。

最後に、「名古屋嬢ライフ」の著者で、生まれも育ちも名古屋の元祖名古屋嬢・世木みやびさん(50代)に話を聞きました。

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世木さん:
「シャネルが好きで、今も着ています。当時、友達の結婚式ではフェラーリが並んでいました」

名古屋嬢ブームは、2005年の愛知万博をきっかけに名古屋への注目が高まり、テレビや雑誌で特集が組まれたことで、全国に知れ渡りました。

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世木さん:
「バブル世代でもあったし、世の中に踊らされた名古屋嬢たちは、そのまま生き続けています。子育てでも、インターナショナルスクールや小学校受験など、いつも戦っている世代かもしれません。さらに“上を目指したい”のが名古屋嬢なのだと思います」

コラムニストの世木さんは、「名古屋嬢は活躍する女性の象徴であり続けてきた」と話します。

■令和の名古屋嬢は

名古屋嬢のファッションや価値観を踏まえ、改めて名古屋の街で聞き込みをしました。

30代の女性:
「今はブランドじゃなくても、かわいいものがあふれている。人と被りたくないですね」

10代の女性:
「これはフリーマーケットで1000円です」

別の10代の女性:
「スウェットが楽です」

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名古屋・栄で1時間ほど取材しましたが、ブランドバッグはあまり見かけませんでした。多くの人がネットやSNSで情報を集め、リサイクルショップなどで購入したものを身につけているようです。流行は多様化し、個別化しているといえそうです。

一方、かつて名古屋嬢が多く通っていたSSK(椙山女学園大学・愛知淑徳大学・金城学院大学)の一角・金城学院大学を訪ねました。ブランドバッグを持つ学生の姿も見られます。

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女子大学生:
「リボンが好き」

話を聞くと、リボンなどの小物が好きなことや、母親と一緒に買い物に行くなど、名古屋嬢らしさは今も受け継がれているようでした。

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「KELLY」の編集長・堀井さん:
「今の若い女性は、洋服やご飯にはなるべくお金をかけず、“推し活”に使いたい人が多い。体のラインを強調することを良しとしない時代になっている気がします」

取材の結果、令和の名古屋嬢は、ファッションに大きなお金をかけず、洋服はゆったり着こなすという特徴が見えてきました。

東海テレビ
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