いよいよ正殿完成の日が近づいてきた首里城公園では、2026年も新年を祝う催しが開かれ、再建を心待ちにする多くの人が訪れました。
また「令和の復元」を率いた高良倉吉さんがこれまでの歩みと、見届けて欲しい首里城の姿について語りました。

正月三が日、首里城公園では「新春の宴」が開かれ、琉球王国時代の正月儀式が再現されるなど新しい年の初めを首里城で過ごす人たちで賑わいました。

元日には首里城で最も高い場所、「東のアザナ」から初日の出を眺めるツアーが企画されました。
参加した人たちは新春を告げるあたたかな陽光を期待しましたが2026年のお正月、那覇市は20年ぶりの雨。

初日の出を拝むことはできませんでしたが、学芸員の解説に耳に傾けながら今年完成する首里城を心待ちにしていました。

宮城県から参加した親子:
この日にここに立てるというのはすごく貴重な経験で大満足です。こうして外観が完成していざ完成したというのをまた見に来られたらいいなと楽しみにしています

娘:
最初は絵だけだったから見られてよかった。中も見てみたいし昔のお部屋がどういう感じなのか見てみたい

首里城正殿では今週から両廊下の工事が再開されています。
いよいよ2026年の秋、完成する正殿。

高良倉吉さん:
平成より今回の復元の方がより王国時代の首里城に近づいた。バージョンアップされた首里城なんです。みんなが目標にしていた首里城正殿がよみがえったという感じですね

誇らしげに語るのは技術検討委員会の委員長として首里城再建をけん引する高良倉吉さん。

高良倉吉さん:
やっぱり青い空にマッチしていますよね

平成の復元以降も進んだ研究や新しい記録が見つかり、生まれ変わった正殿。
とくに大きな変化が「色の再現」です。

高良倉吉さん:
今回は王国時代の沖縄本島北部で取れた昔と同じような顔料を使って塗りましたから、ずいぶん雰囲気が違うでしょう。むしろ僕は落ち着いた上品な色になったなという感じがしますね

「首里城の顔」ともいえる唐玻豊の妻飾り。向拝奥にある彫刻、左右一対の「獅子」は、新たに見つかった古写真をもとに以前よりも1.3倍大きくなりました。また1つの牡丹だった模様は、3つの牡丹と1対の獅子・唐草に変わり、本来あった正殿の姿に近づいています。

7年前の火災で失われ、海を越えて広がった喪失感。再建を支える多くの声は高良さんたちのもとにも届いていました。

高良倉吉さん:
応援やエールを送っていただいて。それがこっちまで届くんですよね。みんなが期待しているんだ。それが前回の復元と違うところ。みんなが後押しをしている。みんなが望んでいるとそういうものを受け止めながら作業した

期待に応える上で、再建と同時に掲げた最大のテーマの一つが、防災・防火対策です。

高良倉吉さん:
火災の経験を踏まえて、二度と首里城が火災の犠牲にならないように、徹底した防災・防火対策を施すという点では、今回の正殿はそれをばっちりいろんな対策が講じられています。

国内の専門家を結集し、正殿の消火活動がいかに困難なものだったか、城壁に囲まれた首里城の構造的な課題についても議論を重ねました。その教訓をもとに正殿には火災を初期段階で消し止めるスプリンクラーやドレンチャーを設置され、見えない場所には不燃材も使われています。

高良倉吉さん:
そういった機能を損なわず、同時に首里城の往時の正殿を復元する。両者がバッティングしないように。それに結構苦労して議論したところです

令和の復元は、2度と正殿を失わず、未来へ守り継いでいく挑戦でもあります。いよいよ2026年秋に迫る正殿の完成は、それでおしまいではなく、大切な「通過点」といえます。

高良倉吉さん:
主役である正殿がよみがえって、周りの建物を整備して、ざっと10年ぐらいかかるんじゃないか。それを全部やることによって、はじめて火災の前の首里城がよみがえる。ですから、令和の復元のプロセスなんですよね

高良倉吉さん:
沖縄という地域が持っている奥深さ。厚み。豊かさ。よみがえった首里城を通して感じて欲しいなと思いますね

沖縄テレビ
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