一枚の写真から街を再発見する「兵動大樹の今昔さんぽ」。
今回の舞台は、京都市東山区。京阪電車・清水五条駅前からスタートだ。
今回渡された写真の撮影時期は「戦前の昭和」。
兵動大樹さん:幅広いわ~。
写真には、なにやら立派な階段と建物が。
写真の場所を見つけることはできるのだろうか?
■戦前の昭和の立派すぎる建物の謎
兵動さんが受け取ったのは、第二次世界大戦前に京都市で撮影された1枚の古い写真。写っているのは、圧倒的な存在感を放つ立派な建物と、その前で遊ぶたくさんの子供たち。
兵動大樹さん:難しいな~。
実は兵動さん、これまでにも京都の小学校の跡地を、いくつも訪れてきた。京都の小学校は明治時代、国の制度ができる前に作られていて、その歴史は深いのだ。
今回もそういった小学校の1つかもしれないが…聞き込みを続けると、地元の方から重大なヒントが!
地元の方:清水小学校ちゃうん?今はホテルになっている。

■100年の歴史「京扇子」300枚の金箔があしらわれた逸品も
街を歩きながら聞き込みを続けている中で、100年の歴史を持つ京扇子の老舗「扇や
半げしょう」を発見。2階が工房で、そこで作った扇子を1階で販売しているそうだ。
せっかくなので兵動さんにぴったりの扇子を選んでもらうことに。
兵動大樹さん:写真の場所が見つかったら『天晴れ!』で終わりたい。
値段はリーズナブルな物から様々で、なんと店内で一番高価なものは本金箔を使った50万円の扇子!
さらに非売品だが、300枚の金箔を貼った上に手描きをした、美術館クラスの逸品も見せてもらった。

■女将と投扇興対決!
こちらの店では、投扇興を体験できる。扇子を的に向かって投げた後の形で得点が決まる、京都生まれの雅な遊び。
実は女将さんは、過去にもテレビ取材を受けているのだが、その度に投扇興対決で負け続けてきたんだそう。
女将さん、兵動さんを倒して雪辱を果たせるのだろうか!?
じゃんけんで先攻を取った女将の1投目は5点。続く兵動さんは見事に扇子を立たせて10点をゲット!
動揺を隠せない女将の2投目は8点と高得点。兵動さんの2投目は2点とここで形成が逆転してしまう。
女将は3投目も順当に得点を重ね、その差は9点に。最後の兵動さんの3投目も届かず、女将が見事リベンジを果たした!
兵動大樹さん:負けた~!買ったらお土産(非売品の金扇子)持って帰ろうと思ったのに!
リベンジを果たし、ご機嫌になった女将に写真の場所を尋ねてみると、「清水小学校」という答えが。

■「番組小学校」に備わっていた驚きの施設
今はホテルになっているとのことで、さらに詳しい情報を得るため京都市学校歴史博物館へ向かうことにした。
実はこの博物館も、開智小学校という小学校を改修し作られた場所だ。
学芸員の林さんに京都の小学校の歴史について詳しく教えてもらった。
学芸員 林さん:幕末の京都が東京への遷都などで危機的な状況、衰退に陥っていた時に教育によって新しい時代の街づくりをしていく。
京都を廃れさせないよう、町の人々がお金を出して創設から運営まで行ったのが番組小学校。当時の町の区画「番組(町組)」に合わせて64校作られたため、そう呼ばれた。
驚くべきことに、番組小学校は警察署や消防署など、地域運営に必要な機能も兼ね備えていた。

■モダン建築のレアな小学校
写真について聞いてみると、「1933年(昭和8年)に建てられた清水小学校の鉄筋校舎」とのことだ。
学芸員:モダン建築と言っていいと思うんですけど、(屋根に)スペイン風の瓦が張られて、アーチの窓が。非常に洋風なデザインが取り入れられた校舎で話題になっていたみたいですね。
1923年の関東大震災以降、全国的に小学校も鉄筋建築にしていく流れがあり、この時期にできた学校はモダンな雰囲気が特徴。
ただし戦争に近づくと派手な装飾はしなくなっていったそうで、清水小学校はまさにその時代の特徴を持つ建築なのだ。
清水小学校は2011年に少子化の影響により閉校し、2020年からはホテルとして再活用されている。

■90年前の小学校がラグジュアリーホテルに
ホテルがあるのは清水寺の近く。アーチ型の窓を見つけた兵動さんは興奮気味だ。
兵動大樹さん:あれ?ここ来たことあるんちゃうか?(ハイヒール)モモコ姐さんに連れてきてもらったことある!
思わぬ縁があったホテルは、小学校時代の面影がそのまま残っている部分もある。
今から90年前からある大木がそのまま残り、小学校時代からあったポストも現役。
館内の階段は木製の手すりはそのままに、タイルは当時のデザインで焼き直している。
階段の手すりには当時、誰かが彫刻刀で削った跡も残っているのが味わい深い。
兵動大樹さん:削った人泊まりに来たらびっくりするでしょうね。『オレ削ったやつまだ残ってる』って。

■卒業生が語る思い出の場所
小学校を活用した「ザ・ホテル青龍 京都清水」は、1室10万円前後からの宿泊料で、梁は小学校のデザインをそのまま生かしている。窓の大きさもそのままなので、清水寺が見える絶景を楽しめる。
当時の思い出話を聞きたい…ということで、卒業生の陶芸作家・たにぐちちさとさんに話を聞いてみた。
谷口さんによると、クラス分けは「いろはにほへと」の組分けで、ずっと「い組」だったそう。そして谷口さんが特に思い出深い場所は「屋上」。
屋上からは京都市内が一望でき、スペイン風という校舎の屋根瓦もよく見える。さらに清水寺が他のどこからよりも近く見える絶景スポット。
唯一無二の絶景が楽しめるこの場所は、ルーフトップバーとして現在も活用されている。
また、レストランは、卒業生の同窓会に無料で貸し出しているということだ。(飲食費は必要)
今回は第二次世界大戦前に京都で撮影された清水小学校の写真から、形を残しながら新しい姿で愛される90年前のモダン建築を楽しむことができた。
(関西テレビ「newsランナー 兵動大樹の今昔さんぽ」2025年11月28日放送)

