マイページ
マイナ保険証の“三大トラブル”「資格情報が無効」「名前などの情報が●(くろまる)で表示」「認証エラー」 医療機関の7割で発生 トラブルで「いったん10割負担」になる場合も|FNNプライムオンライン

マイナ保険証の“三大トラブル”「資格情報が無効」「名前などの情報が●(くろまる)で表示」「認証エラー」 医療機関の7割で発生 トラブルで「いったん10割負担」になる場合も

Google ニュース プリファードソース

2025年12月1日、すべての従来の健康保険証の有効期限が切れた。

今後は原則、「マイナ保険証」か「資格確認書」で医療機関を受診することになる。

しかしこの間、厚生労働省は『保険証に関する“暫定措置”』を連発している。

「後期高齢者には全員に資格確認書を送付する」「資格確認のお知らせだけでも受診できる」「有効期限切れの保険証で受診できる」など、医療現場で相次ぐトラブルにその都度対応している形だ。

全国保険医団体連合会(保団連)が実施した「今年8月以降のマイナ保険証利用状況の実態調査」では、回答した全国9580医療機関の7割に「なんらかのトラブル」が発生しているという。

しかも、半数を超える医療機関で「マイナ保険証だけでは保険資格情報の確認ができない」問題が起こっている。

「保険資格情報の確認ができない」と、その場では10割負担となる可能性がある。

政府の暫定措置は2026年3月まで。それまでにトラブルは解決されるのか。

調査を担当した保団連の上所聡子さんと、医療現場で患者と向き合う井上美佐保団連副会長に話を聞いた。

■ずーっと続くマイナ保険証“三大トラブル”

【全国保険医団体連合会 上所聡子さん】
保団連は2023年以降、「マイナ保険証利用状況の実態調査」を6回行ってきました。

2023年6月に発表した第一回調査からずっと上位をしめているのが「3種類のトラブル」です。

*「資格情報が無効」
*「●(くろまる)で出る」
*「カードリーダー等の接続不良、認証エラー」

いずれも医療現場に混乱を招く内容ですが、特に問題なのが「資格情報が無効」です。

これは保険情報(資格情報)の確認が出来ない、つまり保険証の役割を果たしていな
いということで、第一回調査では66%、先日発表した「今年8月以降の実態調査」でも51%の医療機関で発生しています。

資格情報が無効になる原因は色々あるのですが、多くは、引っ越しや就職・転職などで保険情報が変わった時に、オンライン上の資格情報の登録・更新手続きにタイムラグが生じることで起こっています。

登録・更新手続きには、「元の保険者」と「新しい保険者」の作業が必要です。

例えば国保の人が引っ越しをした場合、まず元の保険者(転出した自治体)が古い資格情報を無効にし、次に新しい保険者(転入先の自治体)が新たな資格情報を登録します。

古い資格情報が無効にされていて、新しい資格情報の登録がまだの場合、古い方の「無効」という情報しか出なくなるのです。

この登録・更新手続きに時間がかかっていることが、トラブルの大きな要因です。

厚労省は資格変更から10日以内にシステム登録を求めていますが、実際にはもっと時間がかかっており、1~2か月以上更新されていない事例も多くあるのです。

保団連公式チャンネルより
保団連公式チャンネルより
この記事の画像(5枚)

■厚労省は10日というが、実際は…

保団連副会長の井上美佐医師によると、ある自治体では「転入者の情報は一週間分をまとめて外部委託。入力作業に1~2週間かかるので、更新は転入の手続きだけでも最大で3週間ほどかかる」とのことです。

これは実際に井上医師の患者さんが、転居後、数週間経っても「保険情報が無効」と出るので自治体に問い合わせたところ、得た回答だといいます。

これは「転入」についてで、当然、「転出」側の作業もあります。

厚労省の言う10日で済まないケースは多いと思われます。

また、「他の医療機関では利用できるのに当院では無効だった」「資格変更をしていないのに無効と表示される」といったトラブル事例も報告されていますが、原因ははっきりしません。

現在、マイナ保険証の関係で自治体などの実務負担が増えていますから、すぐの改善は難しいかもしれません。

とはいえ、保険証が1か月、2か月も使えないというのは問題です。

そもそも厚労省は「正確な資格情報のリアルタイム更新」を前提に、従来の保険証の廃止を進めました。

しかし現状、“リアルタイム更新”は完全に崩れていると言えます。


(全国保険医団体連合会 上所聡子さん)

保団連公式チャンネルより
保団連公式チャンネルより

■「●(くろまる)」はいつか無くなるのか?

【全国保険医団体連合会副会長 井上美佐医師】
トラブルの中で最も多いのが「名前や住所の一部が●(くろまる)で出る」です。
名前4文字中3文字が●という事例もありました。

●があると処方箋や診断書、領収証を出せないので、現場でその都度、手修正することになります。

また、●以外にも「大文字小文字の誤り」、「全角・半角の誤り」、「何丁目何番地がハイフン表示になっている」など、カルテ情報との不一致が多数発生しており、事務の手間が生じています。

資格情報は自治体で手入力されているようですが、人的ミスが起きていますし、なにより「表記の基本ルールが統一されていない」という根本的な問題があります。

私の印象では、●は少しずつ減っているようにも思いますが、まだまだ多く、事務スタッフの手間は増えたままです。

井上美佐医師
井上美佐医師

■本当に厄介な“カードリーダーエラー”

マイナ保険証開始以来、ずっと無くならないのが、接続不良やフリーズ、認証エラーといったカードリーダー等機器の不具合です。

顔認証の精度が低いため、暗証番号入力や目視モードへの切り替えが必要となる場合も多く、受け付けの遅延と負担を引き起こしています。

患者様が並んでいる中で、エラーが続いたり、再起動をするのは、混雑を招くだけでなく窓口業務担当者にプレッシャーを与えます。

マイナ保険証導入に際し、当初、国も一般の人も「お年寄りも慣れれば大丈夫」と言っていました。

しかし「高齢者は慣れません」。

1カ月、2カ月ごとの通院では、毎回スタッフによる説明が必要になっています。

暗証番号を忘れている人もたくさんいます。

実際にやってみて分かった現実です。

これまでこうしたトラブルの時は「従来の保険証による資格確認」で対応してきました。

しかし有効期限が切れ、暫定措置も来年3月まで。

数年間解決されなかった問題を、あと3か月で解決するのは難しいと思います。

患者さんと医療現場のことを最優先に考えるならば、当面はシンプルに「資格確認書」を全員に自動交付することを検討して欲しいと強く願います。

(全国保険医団体連合会副会長 井上美佐医師)

保団連公式チャンネルより
保団連公式チャンネルより
関西テレビ
関西テレビ

滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・徳島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。

  • 1
  • 2
関連記事
関西テレビの他の記事
日本画で描く風景の世界 「内閣総理大臣賞」に輝いた西田眞人さんの展覧会 約40点を展示 兵庫・豊岡市
日本画で描く風景の世界 「内閣総理大臣賞」に輝いた西田眞人さんの展覧会 約40点を展示 兵庫・豊岡市
ライフ
「癒しをいっぱい頂いたので、さみしいです』 国内最高齢のコアラ「のぞみ」 18歳で“生涯に幕”…約200人がお別れ会に 淡路島で愛された人気者との別れ惜しむ
「癒しをいっぱい頂いたので、さみしいです』 国内最高齢のコアラ「のぞみ」 18歳で“生涯に幕”…約200人がお別れ会に 淡路島で愛された人気者との別れ惜しむ
ライフ
「少年を保護してほしい」保護者から警察に届け出…15歳少年に危害加える目的でナイフと模造刀を準備か 19歳と17歳の兄弟を逮捕 3人の間に金銭トラブル 滋賀・大津市
「少年を保護してほしい」保護者から警察に届け出…15歳少年に危害加える目的でナイフと模造刀を準備か 19歳と17歳の兄弟を逮捕 3人の間に金銭トラブル 滋賀・大津市
社会
“絶好調USJ”の裏で「8000万円投資も修繕しきれず」閉園も “ご当地遊園地”生き残り戦略 開園70年“レトロさ”や「乗り心地悪い」“自虐”を逆手に 愛犬と「サバンナの猛者に会える」サファリパークも
“絶好調USJ”の裏で「8000万円投資も修繕しきれず」閉園も “ご当地遊園地”生き残り戦略 開園70年“レトロさ”や「乗り心地悪い」“自虐”を逆手に 愛犬と「サバンナの猛者に会える」サファリパークも
経済
一覧ページへ
×