2025年もいよいよフィナーレ。1月から12月までそれぞれの月を象徴するトピックを厳選。福岡の1年をダイジェストで振り返ります。後編は7月から12月までの出来事です。(全2本中の2本目)。

【7月】“災害級の暑さ”で海水浴場は人影まばら 熱中症で救急搬送相次ぐ

この夏、県内は連日“災害級の暑さ”に見舞われました。

朝倉市の三連水車前からリポートした記者も「涼しさを感じられるスポットですが、手元の温度計は37℃を超えています」と汗だくに。

本来ならかき入れ時であるはずの県内の海水浴場も、あまりの暑さに人影はまばらでした。

海の家のスタッフも「(客足は)2~3割くらい減っていると思います。自分たちも暑いですもん」と商売あがったりの様子。

熱中症とみられる症状で救急搬送された人も相次ぎ、命を守る行動が求められました。


【8月】猛暑の次は大雨 線状降水帯が6回発生 駅のロータリーが水没

暑さの次に襲ってきたのは大雨でした。

8月9日からの雨では県内で線状降水帯が6回発生し、各地で記録的な雨量を観測しました。

「宗像市のJR赤間駅です。駅の入口付近まで冠水が迫っています」。記者が伝えた現場では駅のロータリーが完全に水没し、車が動かせなくなって徒歩での帰宅を余儀なくされる人々の姿がありました。

さらに福津市では、氾濫した川で高齢の男女2人が流され死亡するという痛ましい事故もありました。

県内では家屋の浸水被害が188件、土砂災害が80件確認され、自然の猛威が深く爪あとを残しました。

【9月】東大卒市長の「M-1」快進撃 まさかの幕切れ

9月、太宰府市の楠田大蔵市長がなんと若手漫才師日本一を決める「M-1グランプリ」に挑戦しました。

相方はタレントの高田課長で、コンビ名は「市長課長」。

「有権者の皆さま!」「選挙じゃないんだから!」「朝昼晩、梅ヶ枝餅!」と東大卒のエリート市長が繰り出すボケは意外にも会場を沸かせ、1回戦と2回戦を突破。「公務」としての本気の町おこしが注目されました。

ところが、その挑戦はあまりにもあっけない幕切れに。

3回戦の前日、市職員が自転車の“酒気帯び運転”で警察に摘発されたのです。

「出場を辞退せざるを得ないという決断をしたところです」と楠田市長は苦渋の表情で辞退を発表。職員の不祥事によって、市長の熱い挑戦は幻と消えました。

【10月】5年ぶりホークス日本一奪還「みんなシャンパン持って!」喜び爆発

10月、プロ野球「福岡ソフトバンクホークス」が5年ぶりの日本一を決めました。

「みんなシャンパン持って! レッツゴー!」周東佑京選手会長の掛け声で始まった祝勝会ではビールにかえて多数のシャンパンやスパークリングが用意され、喜びを爆発させました。

そして福岡市の明治通りで行われた優勝パレードでは沿道を埋め尽くした大勢のファンが「おめでとう」と日本一を祝うと、オープンカーの上で小久保監督や選手たちが笑顔で手を振り応えました。


【11月】保育現場で相次ぐ不祥事 園児に“虐待”や“暴言” 元保育士の逮捕も

11月、保育の現場での信じられない行為が相次いで発覚しました。

田川市の保育園では元保育士の女が園児への暴行や傷害の容疑で逮捕されました。

県は、当時所属していた保育士14人のうち容疑者を含む10人が園児に虐待などをしていたと認定しました。

説明会では「どんだけ頭にきとうか分かっとうね! ふざけるな!」「 正直、腹が立つ!」などと保護者から怒りの声が上がり、紛糾しました。

また福岡市でも、保育士2人が2歳の園児の容姿をからかうような発言をしていたことが発覚しました。

ボイスレコーダーには、園児に対し「カメレオンに似てる」「ほめ言葉よ」などとあざけり笑う音声が残されていました。

【12月】福岡市長「おこめ券」配布に苦言 コメの価格高騰収まらず

「令和の米騒動」とも言われたコメの価格高騰をめぐる問題は、年末まで尾を引きました。

物価高対策として国が掲げた「おこめ券」配布案に対し、福岡市の高島市長が「国民に500円を配るのに1割以上60円。そのコストに対しては国として問題意識をぜひ持っていただきたい」と苦言を呈しました。

福岡市では「おこめ券」を配布せず、その財源を下水道料金2カ月無料化などに充てることにしました。

また、コメそのものの価格高騰をめぐっては8月に福岡のJA組合長が当時の小泉農水大臣に「現場は農水省の指導通り動いているんですよ」と直談判する場面も。

小泉大臣は備蓄米の放出やコメの増産方針で、一時的にコメ価格を落ち着かせました。

その後、高市内閣の鈴木農水大臣は「需要に応じた生産が何よりも原則」などと増産方針を見直す考えを示しました。

テレビ西日本
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