2025年もいよいよフィナーレ。1月から12月までそれぞれの月を象徴するトピックを厳選。福岡の1年をダイジェストで振り返ります。前編は1月から6月の出来事です。(全2本中の1本目)。
【1月】「イケおじ」よ、永遠に 国内唯一のオスラッコ「リロ」涙の別れ
新しい年を迎えたばかりの1月4日、福岡だけでなく全国のファンに深い悲しみが広がりました。
福岡市東区の「マリンワールド海の中道」で愛されてきた、国内唯一のオスのラッコ「リロ」が天国へと旅立ったのです。
年齢は17歳と人間で言えば70代から80代。「イケおじラッコ」の愛称で親しまれ、その愛くるしい仕草と、どこか貫禄のある表情で訪れた人たちを魅了してきました。
リロの死でマリンワールドで飼育されているラッコはいなくなり、1989年から続いていた展示は途絶えることになりました。
そして国内で飼育中のラッコは三重県の鳥羽水族館のメス2頭だけになってしまいました。
設置された献花台には多くの花やメッセージが寄せられていました。
【2月】北九州の魂、東京を制す!「資さんうどん」オープン初日に長蛇の列
2月、福岡県民とりわけ北九州市民にとっては誇らしいニュースがかけめぐりました。
北九州のソウルフードとも言われる「資(すけ)さんうどん」がついに首都・東京に初進出したのです。
場所は東京の両国。オープン初日には店舗前に長蛇の列ができました。
独特の柔らかい麺とサバ節などを使った“黄金のダシ”が人々を魅了。「コシがないと聞いていたけど、意外においしい」「めっちゃおいしい。これは通いたいと思います」(訪れた客)。
「資さんうどん」は2025年、全国各地に15店舗をオープンさせ、まさに躍進の年となりました。
【3月】2本目の滑走路が誕生 「日本一の過密空港」がリニューアル
福岡の空の玄関口も、大きな節目を迎えました。
長年「日本一の過密空港」と呼ばれ、離着陸の遅れなどが課題となっていた福岡空港では3月、国際線ターミナルビルがリニューアルオープンし、その敷地面積は一気に約2倍へと拡大しました。
特に混雑が問題視されていた保安検査場は7倍の広さになり、免税店エリアやフードホールも一新。
さらに、総事業費1643億円をかけた「第2滑走路」の運用も始まりました。
「我々、新しい滑走路からの出発機としては1番となる見込みでございます」一番機の機長が機内アナウンスでそう告げると、客席からは自然と拍手が沸き起こりました。
空港の運営会社は3年後の国際線旅客数1000万人突破を目標に掲げています。
【4月】「10年は人に言える」午前3時から並んだ客も…天神「ワンビル」熱狂の船出
4月、福岡市の再開発事業「天神ビッグバン」の目玉施設、「ワン・フクオカ・ビルディング」(通称:ワンビル)がついにグランドオープンを迎えました。
地下4階、地上19階建てで、約130の店舗のほかにもオフィスや高級ホテルが入居するこの巨大ビルの開業を多くの人が待ちわびていました。
その熱狂ぶりはすさまじく、初日はなんと午前3時すぎから入口に並ぶ男性の姿も。「こうした商業施設の(一番最初の客として)一番に入れることはなかなかない。向こう10年は人に言える」と興奮気味に語りました。
オープン直後には、親子連れが感激した様子でインタビューに応じました。「やっと念願のワンビルのホテルにも来られて最高です。娘には感謝しかありません」
開業から8カ月で来客数は1000万人を突破という来客数を記録したワンビル。名実ともに天神の“新しい顔”となりました。
【5月】通学路での悲劇 小学生の列に軽自動車突っ込む
華やかな話題の一方で、5月には痛ましい事故も発生しました。
筑紫野市の西鉄朝倉街道駅近くで下校途中の小学生の列に、74歳女性(当時)が運転する軽自動車が突っ込みました。
軽自動車はその場で横転。「ガシャーンという、すぐ『事故だ』と分かるような音でした」「車が横倒しになっていて、お子さんがその周りに倒れていた」(目撃者)。
9歳の男子児童4人が巻き込まれて足の骨を折るなどの大けがをしました。
運転していた女性はその後、過失運転致傷の疑いで書類送検されました。
高齢ドライバーの問題と通学路の安全確保について、改めて重い課題が突きつけられました。
【6月】「ドキドキしちゃいます」男子校から共学へ 新生“ヒガシ”の学園祭に潜入
スポーツ強豪校としても全国にその名を知られる福岡市の東福岡高校に、新しい風が吹きました。
男子校から共学校に変わり、女子生徒を迎えて初めてとなる学園祭が6月、開催されました。
「ドキドキですね…ドキドキしちゃいます」どこかソワソワした様子の3年生の男子生徒。それもそのはず、これまで“男だらけ”だった校内は大きく様変わりしました。
訪れた保護者も「去年よりも全然華やか。カフェとかも、去年はすごく男臭かったのが、もうレイアウトがすごくかわいくて」と驚きを隠せない様子。
中でも盛り上がりを見せたのは、共学化に合わせて創設された「ダンス部」のステージ。
キレのあるパフォーマンスに「いやもうヤバいっすね! マジでびっくりしました。ダンス初めて見たんですけど、めっちゃ楽しかったです!」(男子生徒)。
新しい歴史を刻み始めた「ヒガシ」はさらなる進化を見せてくれそうです。