2月に行われる知事選挙には、これまでに3人が立候補を表明していて三つ巴の戦いとなる公算が大きくなっています。特に自民党は、県議会と福井市議会がそれぞれの立候補予定者を推していて、このまま行けば保守分裂選挙となる可能性もあります。
◆自民党福井県議会が推す山田賢一氏
26日午前10時、臨時で開かれた越前市議会。
「本申し出に同意することにご異議ありませんか?」
「異議なし」
「異議なしと認めます。山田賢一市長の退職に同意することに決しました」
越前市・山田賢一市長:
「これからは県民全体のために働かせていただくことができればと願っております。これまでのご支援深く感謝いたします」
議会の同意を得て、26日付で越前市長を退職した山田氏はこの後、県庁で知事選に向けて会見を開きました。
セクハラ問題で杉本前知事が退職してから22日。県職員や副知事として40年近く県政に携わった山田氏。「県の様々な政策が、トップ不在で進捗が難しくなっている中で、緊急事態を解決するため、これまでの経験を生かし県政を少しでも正常な形にすることができると思った」と知事選への出馬を決意した心境を語りました。
山田氏は、北陸新幹線の小浜・京都ルートの実現や経済対策、恐竜ブランドのさらなるPRなど、杉本県政がやり残した課題を引き継ぐ姿勢を示しました。
トップ不在の県政を救ってほしいと山田氏に白羽の矢を立てたのが、県議会の最大会派、自民党福井県議会です。
12月10日に会派として全会一致で擁立を決定。同日に直接、出馬を要請しました。
その後開かれた自民党県連の執行部会で、山田氏の擁立を報告しました。しかし、県議会議員主導で進む候補者擁立に福井市議会の保守系会派などが強く反発。
一時は、杉本前知事の再出馬や福井ゆかりの官僚の出馬情報を流すなどして県議らを大きく揺さぶりました。
これに対して自民党県議会は24日、会派として山田氏を推薦し福井市議や同調しない党県連の幹部らをけん制しました。
◆福井市議会の保守系会派が推す石田嵩人氏
こうした中、福井市議会の保守系会派は25日、福井市出身の元外務省職員・石田嵩人氏の擁立を発表。本人も出馬を表明し「知事選挙は恩返しへのチャンス。 全身全霊で福井県民としての自信と誇りをもって全身全霊で頑張りたい」と意気込みを語りました。
この日、石田氏サイドからも自民党県連へ推薦願いが提出されました。
自民党本部は党県連の幹部を呼んで事情を聴きましたが、党本部としての見解は示さなかったといいます。
県連は27日に執行部会を開いて山田氏と石田氏の推薦を協議することになっていますが、結論を出すのは困難とみられ、このまま行けば自民党は分裂したまま知事選挙に突入することになります。
◆共産党の金元幸枝氏は街頭演説で政策訴え
一方、共産党の金元幸枝氏は街頭演説などを行い、北陸新幹線の建設凍結や原発の稼働停止などを訴えています。
知事選挙は1月8日告示、25日に投開票です。