年末が近づくこの時期の富山の味覚といえば寒ブリだが、今シーズンは水揚げが少なく、例年12月上旬に出される「ひみ寒ぶり宣言」もまだ発表されていない状況だ。店頭価格は昨年の2〜3倍に高騰し、1本11万円を超える事態となっている。

水揚げ量は昨年の1割程度に落ち込む

10月末から始まった氷見市のぶり漁は、11月には多い日で1日980本の水揚げがあり好調だった。しかし12月に入ってからは500本を下回る日がほとんどとなっている。23日朝の水揚げは156本と、豊漁だった昨年の約1割にまで落ち込んでいる。

氷見市内の鮮魚店に23日朝に並んだブリはわずか1本。価格は昨年より2〜3倍高い11万円が付いていた。鮮魚次郎屋の狩野次郎社長は「12月に入ってからさっぱり。去年と比べものにならないくらい、倍以上の値段。お客さんの希望する金額に全然合わず(予約を)キャンセルされるお客さんも多い」と窮状を語る。

飲食店も値上げを余儀なく

年末年始が近づくにつれ、ブリの需要が高まるため、今週に入り一層仕入れ値が上がっている。連日多くの観光客でにぎわう氷見漁港内の飲食店「魚市場食堂」の田島勝之さんは「仕入れ値が去年の倍近くになった」と話す。

同店の人気メニュー「ブリ丼」は値上げを余儀なくされ、昨年より800円高い3800円で提供されている。田島さんは「氷見の寒ブリは全国的に有名。それを求めてくるお客さんが多い。まだ『ひみ寒ぶり宣言』が出ていないので少し残念」と語った。
ふるさと納税にも影響広がる

この不漁の影響はふるさと納税にも及んでいる。氷見市商工観光課の宮崎菜々子さんによると「ひみ寒ぶりの先行予約を始めたが、『ひみ寒ぶり宣言』が出ないため、12月16日に予約を停止」したという。

昨年、過去最高の寄付額を達成した氷見市のふるさと納税は震災復興の貴重な財源となっている。市は今年9月から、ひみ寒ぶりの切り身やブリしゃぶなどを返礼品とする先行予約を開始し、現在までに750件の予約が入ったが、宣言が出ないため先週新たな予約を停止した。
宮崎さんは「ひみ寒ぶりを楽しみにしてくださる方がたくさんいるので、早く宣言が出てほしい」と期待を寄せている。
高水温が原因か、今後の回復に期待
県水産研究所によると、今年は海水温が高く、ブリの南下が遅れている可能性があるとしている。今後海水温が下がってくれば急激に漁獲量が増える可能性もあるという。

過去には12月下旬や1月上旬に「ひみ寒ぶり宣言」が出された年もあり、今後の豊漁が期待される。
(富山テレビ放送)
