総理官邸の関係者による「核保有すべきだ」との発言。
「人間が人間らしく死ぬことすらできなかった」、すさまじい被害に人類と核は共存できないと核兵器廃絶を訴え続けてきた被爆者からは、強い抗議の声が上がっています。
「日本は核を保有すべきだ」という趣旨の発言は18日、安全保障を担当する官邸関係者が記者団に対して行ったものです。
木原官房長官は19日の会見で「コメントは差し控える」と述べ、「政府としては非核三原則を政策上の方針として堅持している」と強調しました。
KTN記者
「長崎市の平和公園です。被爆者たちは毎月9日になると、この場所に集まり核兵器廃絶を訴え続けてきました。被爆80年の今年、核廃絶への機運が高まりを見せる中でのこの発言に、長崎の被爆者からは怒りと落胆の声が聞かれました」
長崎原爆被災者協議会の田中重光会長は、政府内の核をめぐる発言は、被爆者なき時代を見据えて行われているものではないかと声を震わせます。
田中重光 会長
「与党側は機を見ているのでは。被爆者も10万人を切ったし、動けないわけですから」「腹の底から憤り。私たちの努力を全く無視する水を差している」
また、被爆者団体の全国組織日本被団協の濱住治郎事務局長は談話を発表し、「発言は被爆者の存在を無視し、核戦争を容認するものであり、絶対に許すことはできない」と抗議しました。