平日の19日も多くの観光客でにぎわう神奈川・箱根町の大涌谷。
駐車場は満車と表示され、入りきれない車が下にも続いて渋滞が起きています。

年間2000万人以上が訪れる箱根。
ところが、この首都圏屈指の観光地に今、思わぬ事態が起きています。

箱根町にはもともと5カ所のガソリンスタンドがありました。

しかし、2025年8月と11月に相次ぎ、閉鎖。
現在営業しているスタンドは3カ所に。

さらに、人気の観光地・宮ノ下のスタンドでも2026年3月いっぱいでの閉鎖が決まりました。

人気観光地・箱根町のガソリンスタンドが2026年春には2カ所だけに。

閉鎖予定のスタンド「宮ノ下給油所」を運営する、「箱根プレザントサービス」の担当者に理由を聞くと、「(Q.閉鎖の理由)なかなか要員の確保ができない。ガソリンスタンドの地下タンクが40年経過で改修ないし交換というルール。閉鎖せざるを得ない状況に追い込まれた」と話しました。

深刻な人手不足に加え、約1000万円というタンクの改修費用も重い負担に。
セルフスタンドにするにも莫大(ばくだい)な費用がかかるため、閉鎖せざるを得ない状況になったといいます。

相次ぐスタンド閉鎖に「(残りガソリン)10分の3メーター。半分もないぐらい」と話す旅行客は、給油できるスタンドをスマホで探しますが、解体中のスタンドを営業中と勘違いしていました。

経済産業省によりますと、全国のガソリンスタンドの数は30年連続で減少し、2024年度末には2万7009店に。

ピーク時の1994年度末の半分以下に減っています。

また、地元の住民は「郵便局の配達をしている人とか(給油所が)なくなってしまう」と生活への影響を心配していました。

箱根町では、住民や観光客から不便などの声が上がっているとしたうえで、消防車や救急車などの活動に支障が出ないよう、「搬送の帰りなどに給油するよう指示をする」などとしています。