ベルギーの首都・ブリュッセルで行われたのは農家による抗議デモ。
投げているのは何と、ジャガイモです。

1万人以上が参加した大規模デモに日本大使館も注意を呼びかける事態となりました。

発炎筒が飛び交う道路で急発進するトラクター。
その先には警察隊が威嚇しながら進もうとします。

周囲には警察隊を取り囲むように数台のトラクターが並んでいました。

デモが行われたのはEU(ヨーロッパ連合)首脳会議が行われているベルギーの首都・ブリュッセル。

農業政策を巡り、EUは南米との自由貿易協定の発効に向けた承認手続きを進めています。

これに対し農家側は十分に規則を守っておらず、安い南米産の肉や野菜がヨーロッパに流入するとして強く反発。

ベルギーやフランスなど27カ国から1万人以上の農家が集まり抗議の声を上げました。

トラクターで運ばれてきたのは大量のジャガイモ。

路上に山積みされたジャガイモをデモ参加者が手に取り、警察隊に投げつけ周辺にはジャガイモが散乱していました。

フライドポテトの発祥の地とされるベルギーならではの「ジャガイモ抗議活動」です。

警察側は催涙ガスや放水で応戦するなど衝突に発展。

デモに参加するために集まったトラクターは道を封鎖するようにずらりと並び、その中にはきらびやかに電飾したクリスマス仕様のものもありました。

フロント部分に人形や棺おけを貼り付けるなど抗議を続ける中、音で威嚇する場面もみられホーンで奏でられたメロディーが鳴り響きますが、放水車から猛反撃を受ける場面も。

EUのフォンデアライエン委員長は18日に農業団体と面会しEUの予算において農家に対し、協力で継続的な支援を行うと説明して理解を求めました。

しかし、その後一転、EU加盟国が抱える課題に対処するため署名を数週間延期すると南米側に伝え合意したと発表しました。