少し気が早いですが、3月3日「桃の節句」の話題です。少子化の影響で年々減少するひな人形の需要。そんな中、四国各地の人形店が19日愛媛県松山市に集い、あるイベントを開きました。
女性客:
「隣の着物もかわいいですね、ふふふ」
赤ちゃんを抱いたおかあさんが見つめるのは、ひな人形。松山市で19日から始まった「ひな人形フェス」です。四国4県から5つの人形店の自慢のひな人形が、今回初めて一堂に介しました。
人形の光商会・秋山浩一社長:
「それぞれお人形さん雰囲気が違うんで、この子かわいいなとか、この子怒り気味かなとか表情が見えるんで、そういうのは見てて楽しいですね」
18日、会場となった松山市の老舗人形店で、人形の飾り付けが行われていました。
人形の慶樹・河原良輔社長(徳島から参加):
「作品のタイトルが、春がそこまでってタイトルなんですね、表情からして春がくるのをワクワクしながら待っている、そんな顔がご覧いただけて、こんな珍しいおひな様も見ていただくだけでもね、楽しいかなと思って。インスタあげて、バズってくれてもいいし」
人形のあづま(香川から参加)からは、SNSで人気を集めるひな人形たちが。令和のリビングに似合う淡い色合いが特長で、人形も衣装もすべて自社で手がけたオリジナルブランドです。
また高知からは、本物の十二単と同じように人形に一枚一枚着物を着させる、「本着せ」のひな人形。職人の手仕事が光ります。
近森人形・近森範久社長(高知県から参加):
「5店舗が集う意気込みも感じてもらえるとうれしい。フェスですから、個性、うちしかないよっておひな様を持ってきたつもり」
それぞれの店が個性を持ち寄った四国初開催のこのイベント。発案者は徳島の河原社長です。
河原良輔社長:
「出生人口とかお子様の数が少なくなってきて、(当然われわれの業界としては、おひな様とか五月人形、初節句の人形たちなので)それを購入される方って当然少なくなってる。なんとかして、おひな様を盛り上げていきたいという気持ちがあって、そうするとやっぱり『お祭り』っていうのがキーワード」
愛媛県も出生数は減少の一途で、2016年には1万人を切り、去年は6557人にまで落ち込んでいます。少子化とともに人形店の経営状況が厳しくなる中、ひな人形そのものも変化しています。
秋山浩一社長:
(古い映像を見ながら)「すごいな、『段飾り』ばっかりやな」
40年ほど前の店の様子。段飾りを中心に豪華で華やかなひな人形が並びます。令和の今、まちでひな人形について聞いてみると。
親子:
「私が使ってたものをお下がりで(娘に)渡して、段飾りの上3段とかを出してました、全部は出せなかったので」
親子:
「毎年出しますね。こじんまりとした、団地なので。やっぱり娘の幸せを願って」
大きさや飾り方は変わっても、わが子の健やかな成長と幸せを願う思いは、いつの時代も変わりません。
ひな人形フェス当日は…。
女性客:
「悩みます~ふふふ、すごいかわいいお人形いっぱいで、いま6カ月です。愛媛のお店だけじゃなくて、四国のお店が集まるって知ったので、気になってきてみました。日曜日にでも母と一緒に来て、決めさせてもらおうかなと」
河原良輔社長:
「子供が成長した時に思い出になるじゃないですか、あのときおひなさま飾ったよねとか、ちっちゃな小物がなくなったよねとか。(ひな人形を飾ることは)無事に成長していく姿を親子で年に1回手に取って、実感する時間じゃないかなって思います」
秋山浩一社長:
「いや、ほんとすばらしいというか、うれしいですね」
「おひな様ってこんなにいっぱい種類があるんだよ、こんなに楽しいんだよってほんとに見ていただいて、楽しんで帰っていただいたらすごくうれしいです」
「ひな人形フェス」は21日日曜まで開かれます。
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