東京・赤坂の個室サウナを利用していた30代の夫婦が死亡した火事で、新たな事実が分かりました。
死亡したのは、利用者の松田政也さん(36)と妻・陽子さん(37)。
2人が発見された個室サウナの扉のドアノブが外れていたことから、室内に閉じ込められていたとみられていますが、ドアにはたたいたような跡があった他、2人の手には皮下出血があったことから外に助けを求めたとみられています。
このサウナ室で使用されていたのはL字形の木製のドアノブ。
サウナの設計や建設をしている会社を取材すると…。
アクアエンタープライズ・重隆文代表:
(L字形のドアノブ)普通は取り付けない。僕はサウナ造って40年のキャリアがあるから、いろんなリスクジャッジができて絶対ダメって言えるんだけど。
通常、サウナでは使用されることはないというL字形のドアノブ。
さらに、今回のドアノブは木製でした。
アクアエンタープライズ・重隆文代表:
木というのは特に内側(サウナ側)に関しては熱いから、木は膨張収縮するので劣化は早い。熱にさらされると。
松田さん夫妻が閉じ込められたサウナではこの2年の間に、火事が起きたサウナ室とは別の部屋で、同じような作りの扉のドアノブに不具合が見つかり修理していたことが分かりました。
また、扉は金属製のドアの上から木製の板を貼ったり、ドアノブを木製のものに付け替えたりしていた可能性があることも分かっています。
もし、ドアノブが外れてしまうとどうなるのでしょうか。
鍵の専門家のダスキンレスキュー・玉置恭一さんは「レバーが外れると何もない状態になりますので、大人の人間がやったとしても開かない」と話します。
専門家は、こうしたドアノブは簡単に外れてしまうといいます。
ダスキンレスキュー・玉置恭一さん:
ここにネジがあるのでネジを緩めればスポッと抜けるようになっている。抜けると扉にこれ(反対側のレバー)が残っていても、押すとポトンと落ちてしまう。レバードアノブがなくなってしまうっていう状況になる。
亡くなった松田さん夫婦は、サウナという高温の中に長くいたことによる熱中症か焼死の可能性が高いとみられています。
警視庁は業務上過失致死の疑いもあるとみて捜査しています。