大分県大分市佐賀関で11月に起きた大規模火災は12月18日で1か月を迎えました。
大変な状況にありながらも現地では周りの支援を受けて前に進もうとしている被災者がいます。復興に向けた動きを取材しました。

全国的に知られるブランド魚「関あじ・関さば」。

冬のいま、「関さば」はまさに旬を迎えています。

火災から立ち直ろうとする町を背に、豊後水道の荒波に向かう漁師たちですが、胸中にある不安を抱えていました。

◆漁師
「『八潮工業』さんは私たちの釣り道具の全部を知っている」

◆漁師
「これから先、相当不安だ」

漁師たちの不安、それは佐賀関で75年以上、釣り具を製造し、地元の漁を支えてきた「八潮工業」の被災でした。

県漁協佐賀関支店によりますと、組合員のおよそ6割が八潮工業の釣り針や重りを使っていたということです。

◆TOS山路謙成アナウンサー
「『関あじ・関さば』を釣る釣り具を販売していた八潮工業がこのあたりにあったと思われるが、 辺りはがれきの山となっていて跡形もありません」

◆八潮工業 木崎章二社長
「現地に行って見たが言葉が出ない、出るのは涙だけ」

3代目の社長、木崎章二さんは一夜にして自宅兼工場を失ってしまいました。

しかし、支援の手が…

八潮工業の製品を求める漁師たちの声を受け、県漁協佐賀関支店が再建場所として倉庫を提供することを申し出ました。

◆八潮工業 木崎章二社長
「(漁師の)皆さんが待ってくれていると思うとやっぱりうれしかった。少しでも役に立てたらという気持ちだけ」

再開に向かって動きだした木崎社長。県漁協佐賀関支店も「木崎社長と一緒になって『関あじ・関さば』の漁を絶やさないような取り組みをしていきたい」と話しています。

火災で全てがなくなったと思われた八潮工業でしたが、焼け跡からは重りの製造に使っていた型などが見つかりました。

漁師町の復興…八潮工業の復活が実現されれば、その大きな一歩となりそうです。

テレビ大分
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