福岡市で男女2人が刃物で刺された事件で、逮捕された男が、「HKT48のメンバーを道連れにして自分も死のうと思った」との趣旨の供述をしていることが分かりました。
《山口容疑者のX 2024年6月19日》
「誕生日祝ってってうちわ掲げてたら、HKTメンバー3人が『ほら、せーのおめでとう』って言うてくれた!満足の公演でした!」
30歳の誕生日を「HKT48」のメンバーから祝福されたと投稿していたのは、殺人未遂などの疑いで逮捕された無職・山口直也容疑者(30)です。
14日、福岡市中央区地行浜で発生した男女刺傷事件。
山口容疑者は、みずほペイペイドームの1階で、隣接するHKT48劇場のスタッフの男性(44)の左胸を包丁で刺し、殺害しようとした疑いなどが持たれています。
《山口容疑者のX 2024年1月8日》
「2024年度お友達探し。主にHKT48、よしもと福岡、ホークスの呟き中心です。もう1つの垢、どちらもフォローしてくれたらうれしいです!」
山口容疑者は複数のSNSアカウントを作り、趣味がアイドルのライブ観賞や野球観戦であることなど、いわゆる“推し活”の書き込みを繰り返していました。
《山口容疑者のX 2025年6月30日》
「2025年現場の回数よしもと福岡→136回(甘棠館show劇場含む)、HKT48劇場→70回、ホークス観戦→23回、今年181日のうち約150日ぐらいはPayPayドーム付近にいる」
《山口容疑者のX 2025年9月27日(事件の78日前)》
「きょうEーZOFUKUOKA近辺でHKT48メンバー7人に会えた!」
《山口容疑者のX 2025年10月12日(事件の63日前)》
「HKTメンバー2人とエレベーターが一緒になって3人きりになれてビックリした。話しかけたら優しい対応してくれた!もお推し続けるしかないじゃん!」
《山口容疑者のX 2025年10月20日(事件の55日前)》
「HKTメンバーがおる!今月10回ぐらい遭遇してるんですけど!」
頻繁に「HKT劇場」に出かけるなど“推し活”に年間数十万円は使っていたとみられる山口容疑者。
知人によると、山口容疑者は“推し活”の資金を捻出するため懸命に働いていたということです。
◆山口容疑者の“推し活仲間”
「SNSを見たら『きょうも見に行った』とか、劇場の玄関・ロビー・チケットなどの写真を投稿しているのは見た」
Q.何回も公演に行ったりするお金を捻出できるような状況だった?
「もう働いて『頑張ってるな』と思って。夜勤明けでドームに来た時もあった」
「HKTのメンバーを道連れにして自分も死のうと思った」との趣旨の供述をしている山口容疑者。
山口容疑者が男性スタッフを襲ったドーム1階エレベーターホール周辺の駐車場は、メンバーがSNS用の“自撮り写真”をよく撮影する場所でした。
この場所を事件前日にも訪れていることなどから、警察は、山口容疑者が「HKT48」メンバーの“自撮りスポット”と認識していた可能性があるとみています。
山口容疑者が1人で暮らしていた糸島市のアパートからは、女性グループの100冊近い写真集や約200点の「応援うちわ」などが押収されました。
この事件では、岡山から訪れていた27歳の女性も背中を刺されていて、警察はこの女性への殺人未遂容疑も視野に調べを進めています。