年末年始の帰省や旅行で気になるのが高速道路の渋滞です。
この渋滞を予測する九州でたった1人の専門家に密着しました。
年末年始にも利用者が増える高速道路。
九州自動車道の基山パーキングエリアで話を聞いてみると…
◆利用客
「夫が福岡で単身赴任なので(大分から)会いに行きます」
Q.いつ移動?
「12月27日です」
◆利用客
妻:「年末年始の太宰府らへん…」
夫:「(渋滞時は)ひたすら待って運転するしかない」
妻:「歌を歌うとか」
NEXCO西日本によると、年末年始は九州自動車道の下り線で12月27日から渋滞が発生、1月3日の夕方には上り線広川インターチェンジ付近で最大25キロ、通過に通常より1時間ほど余計にかかる予測となっています。
こうした九州管内の高速道路の渋滞を予測しているのが、九州で唯一の『渋滞予測士』、NEXCO西日本の松下聖史さんです。
渋滞予測の専門家は全国に12人だけ。
そのうちの1人として九州エリアを担当しています。
◆NEXCO西日本 松下聖史さん
「今だと来年の5月、ゴールデンウイークのもの(を予測)」
半年近く先の渋滞まで予測しているという松下さん。
その方法は―
◆NEXCO西日本 松下聖史さん
「10年分の過去の渋滞の実績があって、だいたい5年に1回同じ曜日の配列があるので、その年(5年前)のデータを参考にしている」
過去の渋滞実績に、最近の交通状況、さらに大きなイベントの開催日時などを加味して渋滞を予測し、ホームページの渋滞予測カレンダーに反映しています。
◆NEXCO西日本 松下聖史さん
「(渋滞発生の場所や時間などの的中率は)7割と言われる」
松下さんの仕事は渋滞予測だけではありません。
◆NEXCO西日本 松下聖史さん松下さん
「基山から鳥栖の間の渋滞対策を検討していて…」
渋滞を防ぐ運転を促すため、道路標識のデザインや設置場所などの提案も行っていますす。
そんな松下さんに車に同乗してもらい、実際の高速道路へ。
◆NEXCO西日本 松下聖史さん
「ここ(筑紫野付近)から基山PA付近まで。知らないうちに速度低下が起きているパターンが多い」
一般道に比べて勾配がゆるやかな高速道路では、メーターを確認しながら速度を一定に保つことがポイントです。
午後5時。
事故と夕方の混雑で、九州自動車道の上り線は渋滞が発生。
渋滞すると車間距離が短くなり、追突事故などの発生は通常の40倍以上になるといいます。
松下さんは「追い越し車線」と「走行車線」を適切に使うことが大事だと話します。
◆NEXCO西日本 松下聖史さん
「この先、長崎道と大分道からの合流があるので、合流を避けるために多くの人が右側に寄っている。右側の方が追い越し車線側で早そうなイメージはあるが、実際に走ると左の第1走行車線が一番すいていて早い」
さらに、合流地点では加速車線からすぐに合流しようとする車が多く見られますが…
◆NEXCO西日本 松下聖史さん
「本当は加速車線を全部使って、一番先端の一箇所で交互に合流してもらうのが一番スムーズな方法」
渋滞を減らすために奮闘する渋滞予測士の松下さん。
年末年始を前にドライバーに呼びかけたいことは。
◆NEXCO西日本 松下聖史さん
「予測で混雑すると見込んでいる時間帯については、できるだけ避けて利用してほしい」
適切な運転と渋滞予測の活用で年末年始も快適に帰省や旅行を楽しみたいものです。